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02月17日-03号

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  1. 神奈川県議会 2023-02-17
    02月17日-03号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 5年 第一回 定例会 △《本会議録-令和5年第1回-20230217-029369-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和5年第1回神奈川県議会定例会会議録第3号〇令和5年2月17日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共99名       出 席 議 員                       加   藤   ご   う                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       亀   井   たかつぐ                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       浦   道   健   一                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       佐 々 木   正   行                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       作   山   ゆうすけ                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       堀   江   則   之       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長        河   鍋       章         県土整備局長        大   島   伸   生         会計管理者兼会計局長    落   合   嘉   朗         共生担当局長        川   名   勝   義         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦         警察本部長         林           学         同  総務部長       重   江   光   一         公営企業管理者企業庁長   髙   澤   幸   夫         企業庁企業局長       柏   﨑   克   夫   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和5年第1回神奈川県議会定例会議事日程第3号                            令和5年2月17日午後1時開議第1 定県第 1 号議案 令和5年度神奈川県一般会計予算   定県第 2 号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計予算   定県第 3 号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計予算   定県第 4 号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計予算   定県第 5 号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計予算   定県第 6 号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計予算   定県第 7 号議案 同  年度神奈川県恩賜記念林業振興資金会計予算   定県第 8 号議案 同  年度神奈川県林業改善資金会計予算   定県第 9 号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計予算   定県第 10 号議案 同  年度神奈川県沿岸漁業改善資金会計予算   定県第 11 号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計予算   定県第 12 号議案 同  年度神奈川県母子父子寡婦福祉資金会計予算   定県第 13 号議案 同  年度神奈川県国民健康保険事業会計予算   定県第 14 号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算   定県第 15 号議案 同  年度神奈川県中小企業資金会計予算   定県第 16 号議案 同  年度神奈川県県営住宅事業会計予算   定県第 17 号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計予算   定県第 18 号議案 同  年度神奈川県水道事業会計予算   定県第 19 号議案 同  年度神奈川県電気事業会計予算   定県第 20 号議案 同  年度神奈川県公営企業資金等運用事業会計予算   定県第 21 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計予算   定県第 22 号議案 同  年度神奈川県酒匂川総合開発事業会計予算   定県第 23 号議案 神奈川県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例   定県第 24 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 25 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 26 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 27 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 28 号議案 神奈川県観光振興条例の一部を改正する条例   定県第 29 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例   定県第 30 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 31 号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 32 号議案 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 33 号議案 神奈川県歯及び口腔(くう)の健康づくり推進条例の一部を改正する条例   定県第 34 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 35 号議案 土採取規制条例の一部を改正する条例   定県第 36 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例   定県第 37 号議案 神奈川県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 38 号議案 市町村立学校職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 39 号議案 神奈川県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例   定県第 40 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例   定県第 41 号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 42 号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 43 号議案 かながわ男女共同参画推進プランの変更について   定県第 44 号議案 包括外部監査契約の締結について第2 定県第 144号議案 令和4年度神奈川県一般会計補正予算(第7号)   定県第 145号議案 同  年度神奈川県市町村自治振興事業会計補正予算(第1号)   定県第 146号議案 同  年度神奈川県公債管理特別会計補正予算(第1号)   定県第 147号議案 同  年度神奈川県公営競技収益配分金等管理会計補正予算(第1号)   定県第 148号議案 同  年度神奈川県地方消費税清算会計補正予算(第1号)   定県第 149号議案 同  年度神奈川県災害救助基金会計補正予算(第1号)   定県第 150号議案 同  年度神奈川県水源環境保全・再生事業会計補正予算(第2号)   定県第 151号議案 同  年度神奈川県介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号)   定県第 152号議案 同  年度神奈川県国民健康保険事業会計補正予算(第1号)   定県第 153号議案 同  年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号)   定県第 154号議案 同  年度神奈川県県営住宅事業会計補正予算(第2号)   定県第 155号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 156号議案 同  年度神奈川県電気事業会計補正予算(第2号)   定県第 157号議案 神奈川県子ども・子育て基金条例   定県第 158号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 159号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 160号議案 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例   定県第 161号議案 神奈川県手話言語条例の一部を改正する条例   定県第 162号議案 介護保険法施行条例の一部を改正する条例   定県第 163号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例   定県第 164号議案 神奈川県宅地造成等規制法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 165号議案 神奈川県道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例   定県第 166号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 167号議案 工事請負契約の締結について(県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第2工区)請負契約)   定県第 168号議案 工事請負契約の締結について(県営伊勢原峰岸団地公営住宅新築工事(1期-建築)請負契約)   定県第 169号議案 工事請負契約の締結について(県営綾瀬寺尾団地公営住宅新築工事(1期-建築-第1工区)請負契約)   定県第 170号議案 工事請負契約の締結について(横浜緑ケ丘高校体育館(柔剣道場)他新築工事(建築-第1工区)請負契約)   定県第 171号議案 建設事業等に対する市町負担金について   定県第 172号議案 訴訟の提起について   定県第 173号議案 和解について   定県第 174号議案 令和4年度神奈川県一般会計補正予算(第8号)   定県第 175号議案 同  年度神奈川県流域下水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 176号議案 同  年度神奈川県水道事業会計補正予算(第3号)   定県第 177号議案 同  年度神奈川県電気事業会計補正予算(第3号)   定県第 178号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計補正予算(第2号)   定県第 179号議案 建設事業に対する市町負担金について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230217-029370-質問・答弁-亀井たかつぐ議員-代表質問①関東大震災100年を節目とした災害対策の強化について②災害時の応急仮設住宅について③犯罪被害者等への支援について④ケアリーバーの自立支援について⑤若年性認知症の理解促進と就労支援について⑥共生社会の実現に向けたメタバースの活用について⑦県立がんセンターにおける高度ながん医療の提供について⑧県営団地への子育て世帯の入居について⑨揚水発電所の意義を踏まえた今後の有効活用について⑩県立特別支援学校における医療的ケア児への支援について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共97名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 審議を行います。  日程第1、定県第1号議案 令和5年度神奈川県一般会計予算外43件及び日程第2、定県第144号議案 令和4年度神奈川県一般会計補正予算外35件、以上一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  亀井たかつぐ君。  〔亀井たかつぐ議員登壇〕(拍手) ◆亀井たかつぐ議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、公明党神奈川県議会議員団を代表して、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。  知事並びに企業庁長、教育長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  2月6日未明、トルコ南東部のシリア国境付近を震源とする大地震が発生しました。甚大な人命被害とともに、多くの建物の倒壊や損壊が広範囲に広がっている状況を報道を通じて目の当たりにしました。  ここに、改めてお亡くなりになった方々に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に対しましてお見舞いを申し上げます。  我が国においても、2011年3月11日に発生した東日本大震災が、東北、北海道、関東など広い範囲に甚大な被害をもたらしました。東日本大震災では、人命救助、不明者の捜索、被災者の生活支援、復旧・復興と防災に向けた取組等、被災地が求める支援は時間とともに移り変わり、多様化していったことを学びました。  地震災害の多発する我が国は、被災地が直面する困難や被災者の切実な願いを身にしみて知ってもいます。今回のトルコ、シリアの被災者を物心両面で支えていく意思を持ち続けるとともに、これから我々の身近に起こるであろう首都直下地震等の地震災害についても、今、何をすべきかを改めて考えるべきときが来ていると思います。  災害や戦争は、人間一人一人の生存、生活、尊厳に深刻な脅威を与えます。今こそ、そのような危機に備え、人間一人一人の持つ豊かな可能性が尊重される社会を築くための取組を進めるべきと考えます。  本日は、災害対策を中心に、被災者や困窮している方々に県はどのように向き合っていくべきなのか、将来を見据えた上で着実に進めるべき10の課題について質問をさせていただきます。  〔資料提示〕  質問の第1は、関東大震災100年を節目とした災害対策の強化についてです。  本年、令和5年は、大正12年に発生した関東大震災からちょうど100年という節目に当たります。関東大震災は、現在の首都圏を襲った地震としては、近代において記録が残る中では最大の地震災害です。  〔資料提示〕  火を使うお昼どきの発生で、東京を中心に、火災による甚大な被害が発生したイメージが強いのですが、震源は相模湾であり、火災のほか、津波、土砂崩れなどで、本県でも大きな被害が発生しています。県内の随所に震災遺構があり、まさに神奈川の地震と言ってもよいのではないかと思います。  この本県にゆかりの深い関東大震災100年を迎えるに当たり、大切な視点となるのが、このたびの節目を契機に、本県の災害対策を強化することだと考えます。とりわけ、その第1は、県民の防災意識の向上です。  昨年、県がまとめた地震防災戦略の中間検証でも、近年頻発する風水害と違い、東日本大震災からの時間の経過とともに、地震防災に関する意識の低下が懸念されることを指摘しています。  100年前に、この神奈川で実際に発生した大規模地震に目を向け、地震への備えを風化させることなく、次代に継承していくことが大切です。100年前、具体的にどのような被害が発生したのか、現代において同じ地震に襲われたら、どのような対応や備えが必要なのか、県民一人一人が考え、防災への意識を高め、心に刻むような啓発の機会とすべきと考えます。  そして、第2は、災害の現場の最前線で消火や救出救助などの応急対応を担う消防の対応力の強化です。この問題は、我が会派、そして私自身が重要な課題として捉え、県議会の場でも度々取り上げてきたところです。  県は、我が会派からの提案も踏まえ、県消防学校に様々な災害現場を再現した訓練施設、かながわ版ディザスターシティを整備するなど、消防の対応力強化に努めていますが、いま一度、近年の災害対応を検証し、激甚災害への対応も視野に入れた対策を考える必要があります。  県は、令和5年度の当初予算案に関東大震災100年関連事業や消防力強化のための予算を計上していますが、100年前の節目をまたとない機会と捉え、本県の災害対策の強化につなげるべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  関東大震災から100年の節目を迎える中で、県民の防災意識の向上を図ることが重要だと考えますが、県はどのように取り組むのか、また、消防の対応力の一層の充実強化に向け、どのように取り組むのか、併せて所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、災害時の応急仮設住宅についてです。  我が国を襲う自然災害は、近年、激甚化の一途をたどっており、人や家屋への被害も大きくなる傾向にあります。  本県においても、令和元年の台風15号では、暴風により、多くの家屋の屋根等に被害が生じたほか、台風19号では、豪雨による土砂災害で大きな被害が出たことは記憶に新しいところです。  また、今後、首都直下型の大規模地震の切迫性も指摘されており、自然災害により、多くの家屋が被害を受けた場合、住宅をどのように確保していくのか、常日頃から検討しておくことが大変重要であります。  生活の基盤となる住まいに関しては、応急仮設住宅の供給の取組がありますが、これは、被災し、家を失った方々に対し、仮の住まいを提供することで、発災直後の避難所等での不自由な避難生活を解消し、できる限り日常生活に近い環境で生活していただき、生活の再建につながる大変重要な取組であります。被災者の状況に応じた適切な供給に努めていくことが求められます。  応急仮設住宅については、住宅を実際に建設する方法と、既存の民間賃貸住宅の空き家を活用する方法を状況に応じて選択し、供給されています。しかし、自然災害は、想定外のことが想定外の場所で起こる可能性も否定できないため、様々な事態に対応できるよう、できるだけ多くの手段、選択肢を持っておくことが望ましいと考えます。  〔資料提示〕  こうした中、近年の大規模災害では、船やトレーラーによる移動が可能で、水道や電気などのライフラインにつなげるだけで、すぐに住まいとして利用できるムービングハウスと言われる移動式の住宅が、応急仮設住宅として使用されるケースが増えてきています。  このムービングハウスは、平成30年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市において、応急仮設住宅として初めて使われました。その後も、幾つかの被災地で活用された事例もありますが、実際に建設する従前の手段と比べ、短い期間で設置できたと聞いており、本県でも有効に活用できるのではないかと考えます。  そこで、知事に伺います。  県において、応急仮設住宅を供給する手段、選択肢を増やすという観点から、ムービングハウスの活用を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、犯罪被害者等への支援についてです。  先日、令和4年中の犯罪の発生状況や交通事故の発生状況について発表がありました。県警によれば、本県の刑法犯認知件数は3万6,575件となっており、平成14年の19万173件をピークに減少傾向ではありますが、前年の令和3年と比較すると、約10%増加という結果でした。  また、人身交通事故の発生状況は、発生件数、死傷者数ともに、一昨年から減少したものの、いまだ100人を超える方々が毎年亡くなられている現状であります。  こうした悲惨な事件や事故を少しでも減らすための抑止対策が重要であることは言うまでもありませんが、忘れてはならないのが、ある日突然、悪質な犯罪や交通事故に巻き込まれることにより、人生が暗転し、深い悲しみや、やり場のない気持ちの中で、将来の生活への不安を抱えながら生活している被害者やその御家族、いわゆる犯罪被害者等への支援です。  県では、被害者等への総合的な支援施策を推進するため、平成21年に神奈川県犯罪被害者等支援条例を制定し、神奈川県犯罪被害者等支援推進計画に基づき、カウンセリングや経済面、生活面での支援など、様々な支援施策に取り組んでいることは承知をしています。  犯罪被害者等への支援は、被害者等に寄り添ったきめ細かな対応が求められるものであり、ニーズに応える観点から対応を見直す視点も重要です。  本県は全国的にも早くから取組を進めてきていますが、条例制定や当初の計画策定から10年以上が経過する中で、これまでの対策の検証とさらなる充実を検討する必要があるのではないかと考えます。  例えば、犯罪被害に遭い、収入が途絶え、経済的に困窮する被害者等に対する経済的な支援について、本県は、貸付制度を導入、運用しています。しかし、返済不要な見舞金を導入している自治体も少なくない中、どのような経済支援策が有効なのか整理し、検討することが必要と考えます。  〔資料提示〕  また、地域によって格差がない、被害者等に寄り添った支援を行うためには、住民に身近な市町村との連携強化は極めて重要です。全国では、全ての市町村が犯罪被害者等の支援のための条例を制定している県もある中で、本県は、条例を制定しているのは6市町、見舞金を制定しているのは7市町にとどまっており、支援体制に差があるのが実情です。  そこで、知事に伺います。  令和5年度は、神奈川県犯罪被害者等支援推進計画の改定年に当たると承知をしていますが、これを機に、経済面や生活面など、これまでの支援を検証し、市町村との連携も含め、一層の支援の充実を検討する必要があると考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、ケアリーバーの自立支援についてです。  親からの虐待や貧困などを理由に、児童養護施設や里親家庭などで暮らす子供は、全国に約4万5,000人もいると言われています。  こうした児童養護施設や里親家庭などで育ち、高校卒業後に18歳で自立しなければならない社会的養護の経験者、いわゆるケアリーバーと呼ばれる子供たちは、自立後も親からの生活費や住居の支援を得ることが難しいため、生活が不安定になり、困難な状況に陥りやすいとの指摘があります。  ケアリーバーの中には、仕事や住居を失った若い女性が、男性にだまされて不当に働かされていたり、施設から就労自立したものの、失敗を繰り返し、ホームレスの状態に陥ってしまったりという話を私自身も伺っており、こうした状況に大変心を痛めているところです。  ケアリーバーが安心して自立できるよう、日頃から困ったときに気軽に相談できる場所が身近にあること、また、仮に住居などを失った場合でも、急場しのぎに身を寄せられる居場所があり、そうした場所でも、その後の生活の立て直しのために、親身になって相談に乗ってもらえることが重要です。  〔資料提示〕  県では、ケアリーバーを支援するため、支援拠点である「あすなろサポートステーション」を設置し、生活や就労をはじめ、法律や医療など様々な支援に取り組んでいることは承知をしておりますが、現在のように、辻堂に1か所だけでは十分な支援が行き届かないのではないかと懸念をしておりました。  そうした中、令和5年度当初予算案に、県央地域にサテライトの新設が計上されるなど、県によるケアリーバーの支援拠点の強化が示されたことは評価をしたいと思います。  これまでも我が会派では、ケアリーバーの自立支援について高い関心を持って取り組んできており、困難を抱えるリスクの高いケアリーバーの自立を支えるためには、さらなる支援の充実が必要です。  そこで、知事に伺います。  県として、今後どのようにケアリーバーの自立支援に取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、若年性認知症の理解促進と就労支援についてです。  国内の認知症高齢者は、令和7年に65歳以上の高齢者の約5人に1人に当たる約700万人となることが見込まれており、認知症は、誰もがなり得る身近なものとなってきています。  このような中、認知症への理解や当事者の介護サービスなどの利用も進んできておりますが、65歳未満で発症する若年性認知症については、令和2年における推計値を見てみますと、我が国全体で約3万5,700人と少ないこともあり、多くの国民がその存在を身近に感じにくいのではないかと考えています。  そのため、若年性認知症と診断されたとき、御本人や御家族は、周囲に理解されるのか、就労を続けられるのか、相談先や受けられるサービスはあるのかなど、今後の生活に大きな不安を感じることは想像に難くありません。  特に就労に関しては、一度仕事を失うと、経済的な問題だけでなく、日常生活でのやりがいも失うことにもなりかねません。今の仕事を継続できるのか、あるいは辞めざるを得ない場合にも、新たな仕事や活動の場を見つけることができるかは大変に切実な問題です。  そのため、若年性認知症に対する一般企業の理解促進に加え、辞めざるを得なくなった場合でも、次の仕事を探すための就労支援事業所の利用や、ボランティア活動などに活躍の場を求める際に、有益な情報を当事者の方へ的確に伝えていくことが求められます。  〔資料提示〕  県ではこれまで、若年性認知症コーディネーターを配置し、若年性認知症の御本人や御家族からの就労を含めた多様な相談に応じていることは承知をしておりますが、若年性認知症になっても、その人らしく暮らし続けるためには、若年性認知症について、県民や企業の理解をさらに進めるとともに、御本人や御家族に必要な支援が届くよう取り組むことが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、若年性認知症の理解促進や就労支援など、若年性認知症の方の支援に、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、共生社会の実現に向けたメタバースの活用についてです。  神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例が昨年10月に制定され、本年4月から施行されますが、障害福祉の分野に限らず、例えば、ひきこもりなど、社会との関わりの中で生きづらさを抱える人は数多くいらっしゃいます。  近年、インターネット上の仮想空間で、アバターを通じてコミュニケーションを取ることができるメタバースが脚光を浴びています。  〔資料提示〕  このメタバースは、仮想空間なので、時間・場所にとらわれずに社会参加することができ、例えば障害など身体上の制約により、実社会での生活に困難を抱える人にとって、解決の一助となる可能性があると考えます。  この特徴を踏まえますと、特に、ひきこもりや精神障害などで社会との関わりに困難を感じている人や、外出が困難な人々にとって有効なのではないかと思われます。  昨年6月の第2回定例会において、我が会派の鈴木議員が一般質問で、共生社会の実現に向けたメタバースの活用について質問したところ、知事からは、メタバースを活用した事業展開を検討する研究会を立ち上げるとの答弁があり、早速、県は12月に研究会を立ち上げ、今定例会に提案されている令和5年度当初予算案にもメタバースに関する予算を計上するなど、我が会派の提案に真摯に対応していることは評価をしています。  新たな試みであるため、研究や検討からスタートすることは理解していますが、真の生きづらさの改善につなげるためには、さらに当事者が参加できるような具体的な取組が必要なのではないかと考えます。  今後、メタバース市場は急激に拡大し、2030年までに国内だけでも、その市場規模は24兆円にも上ると試算されています。これまで社会参加にちゅうちょしていた方にとっては、新たな働き方や就労機会の拡大につながるものと私も大いに期待をしているところです。  そこで、知事に伺います。  生きづらさを抱える人々に対し、メタバースを活用した具体的な事業をどのように展開していくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、県立がんセンターにおける高度ながん医療の提供についてです。  県立病院機構の第3期中期計画では、県立がんセンターにおいて、重粒子線治療装置を活用した医療インバウンドに取り組むほか、最新のがんゲノム医療といった先進的ながん医療を提供することが盛り込まれています。  〔資料提示〕  がんセンターの重粒子線治療施設において、今後、医療インバウンドにより、海外の患者に対し治療を進めることは、施設の有効活用となるだけでなく、がんセンターの経営の安定化につながるものと考えます。  さらに、高度ながん医療の提供としては、がんゲノム医療があり、最も進展が期待される分野の一つとなっています。  がんゲノム医療では、がんの原因となる多数の遺伝子を同時に調べる遺伝子パネル検査を行い、その患者特有のがん遺伝子の変化を明らかにできるほか、患者一人一人の薬物治療の適合性を調べることが可能となるため、がんの性質や病状に合わせた治療、いわゆる個別化医療が実現できます。  従来、がんセンターでは、標準治療が終了した方などの条件を満たす保険適用の検査のみを対象としていましたが、抗がん剤治療など標準治療を実施しても十分な効果が得られない場合は、がんが進行してしまうことも考えられ、保険適用外であっても、初期治療段階からのがんゲノム医療を望む声が多くありました。  そこで、昨年2月の本会議において、私は、がんゲノム医療の推進について質問を行い、知事からは、県立がんセンターにおいて、新たに保険適用外となる発症初期段階のがん遺伝子パネル検査を開始する旨の答弁がありました。そして、昨年4月から、TSO500という保険適用外のがん遺伝子パネル検査が開始されたと承知をしており、これについては大いに評価をしております。  一方、この検査では、523の遺伝子を一度に調べることが可能ですが、現在の病理組織を採取する方法では、検査結果の判明まで二、三か月を要します。遺伝子パネル検査の中には、病理組織を採取せず、血液検体を用いるGuardant360RUOという最新の検査法があり、この方法によれば、検査結果がより短期で判明することから、早期に、より効果的な治療を開始したい患者の期待に沿うものと考えます。  そこで、知事に伺います。  県立がんセンターにおいて、高度ながん医療を海外の患者にも広く提供する重粒子線治療施設を活用した医療インバウンドについて、今後どのように取り組んでいくのか、あわせて、がん医療の高度化に向けて、がんゲノム医療のさらなる推進を図る必要があると考えますが、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、県営団地への子育て世帯の入居についてです。  県営団地の入居者の多くが高齢者で、生活や介護などに不安を抱える入居者が多くなっています。また、入居者の減少や高齢化の進行による自治会活動の担い手不足などから、コミュニティー活力の低下が顕著となっています。  そうした中、我が会派では、入居者の高齢化によって、自治会役員の成り手が不足しているとか、共益費の徴収が困難などの声を聞き、共益費の徴収について本会議で課題提起したところ、今定例会に、県が徴収するための条例改正の議案が上程され、今後、県による共益費徴収の取組が進んでいくことに一定の評価をしています。  一方、現在の社会情勢に目を向けますと、新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻、さらには為替レートの変動による著しい物価高騰が国民各層の暮らしを直撃していますが、とりわけ子育て中の世帯への影響は大きいものと考えます。  そして、子育てによる家計の負担は、義務教育で終わるわけではありません。高校全入と言われる現代にあっては、住まいの確保の支援対象を高校生のいる家庭にまで拡大することも必要になってきているのではないでしょうか。  子育てにおいて、居住の安定は最重要課題です。居住の安定がなければ、生活の安定はなく、子供の就学や就労といった将来のビジョンを描くことはできません。余裕と希望を持って子育てに臨むためにも、長期にわたって入居が可能な県営団地をこれまで以上に有効に活用していく必要があります。  現在、県営団地においては、子育て世帯の住まい確保の支援策として、入居申込み時に当せん倍率の優遇を行ったり、義務教育修了前までの子供を持つ子育て世帯のための住居を用意するなどの取組を既に行っていることは承知をしています。  〔資料提示〕  しかし、昨今の様々な状況を鑑みると、高校生の子供を持ち、生活に困窮している子育て世帯も多く存在していることから、子育て世帯向け住宅の入居資格について、現在の義務教育終了前までの子供を持つ世帯から、成年年齢に達するまでの子供を持つ世帯といった、より広い視野を持って対応することで、今まで以上に多くの子育て世帯が入居しやすくなり、子育て支援の観点からも、とても有用であると考えます。  そこで、知事に伺います。  県営団地への子育て世帯の入居促進について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第9は、揚水発電所の意義を踏まえた今後の有効活用についてです。  昨年11月に政府が発表した、この冬の電力需給見通しは厳しく、現在、国民に対して節電の呼びかけが行われています。  私は、昨年の第1回定例会における代表質問で、本県の電気事業の最も大きな特徴は、全国の公営電気事業で唯一となる揚水式の城山発電所を保有していることであり、電力需給逼迫時の需給調整の役割をこれまで以上に発揮すべきと期待を込め、提言をしました。  その後、福島県沖で発生した震度6強地震の影響によって、3月21日には政府から初めて電力需給ひっ迫警報が、また6月には、気温の急上昇に伴う電力需給の増加により、電力需給ひっ迫注意報が発令され、城山発電所もその能力を遺憾なく発揮するなど、電力需給逼迫時における揚水発電の重要性を改めて認識したところです。  〔資料提示〕  さらに、最近では、太陽光発電の普及に伴い、電力が余剰となる昼間に電力を使って水をくみ上げておき、夕方から夜間にかけ、需要に応じて発電するなど、再生可能エネルギーを適切に調整する新たな役割も注目されています。  このような揚水発電の重要性が高まる中で、城山発電所は建設されてから約60年が経過し、老朽化が懸念されています。電力需給逼迫時のセーフティーネットとして、また、脱炭素に向けた再生可能エネルギー普及のサポート役として、城山発電所は必要不可欠な存在であり、将来にわたり、常に万全な状態で備えておくことが必要だと考えます。  しかし、城山発電所は、最大出力が25万キロワットと発電規模が大きいゆえに、老朽化対策費用は、県営水力の他の発電所とは桁違いの額にならざるを得ず、県営電気事業の経営にとって少なからず影響があるものと考えます。  現在、経済産業省総合資源エネルギー調査会等においては、電力逼迫への対応や再生可能エネルギーの調整力としての揚水発電所の重要性に鑑み、将来にわたって、その能力を発揮し続けるための支援策を検討していると承知をしており、こうした動きと歩調を合わせ、連携を強めることで、城山発電所が引き続き重要な役割を果たしていけるよう、県のさらなる取組に期待をするものであります。  そこで、企業庁長に伺います。  電力自由化の中、全国の公営電気事業者で唯一、神奈川県だけが運用する揚水発電所である城山発電所を、我が国のエネルギー施策において重要な役割を担う存在として持続的に活用していくために、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第10は、県立特別支援学校における医療的ケア児への支援についてです。  近年、日常生活において医療的ケアを必要とする子供たちが増加をしています。そうした子供たちへの支援の充実については、我が会派としても注目をしてきました。  そうした中、令和3年9月には、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、1年半が経過しました。  本県においても、この法律を踏まえ、かながわ医療的ケア児支援・情報センターを設置するなど、医療的ケア児や、その御家族が地域で安心して暮らせるよう、全庁を挙げて支援に取り組んでいると承知をしています。  こうした中、県立の特別支援学校においても、医療的ケアを必要とする子供たちが増加傾向にあります。学校現場では、こうした児童・生徒への対応として、安全・安心な医療的ケアの実施体制の充実が求められています。また、保護者が安心して子供を学校に通わせられるよう、通学に関する支援の充実も求められています。  〔資料提示〕  そうした中、県教育委員会ではこれまで、学校に配置する看護師を増員するとともに、今年度から、県立特別支援学校における医療的ケアの充実に向けて、医療的ケア児の通学支援の試行を始めたと承知をしています。  また、令和5年度当初予算案では、看護師配置や通学支援をさらに充実させるための予算が計上されています。  県立特別支援学校で、子供たちが安全に安心して学べる環境を整えるためには、看護師など医療従事者の協力が欠かせません。コロナ禍が続く中で、看護師の確保など難しいところもあると思いますが、県教育委員会においては、知恵と工夫を凝らして、困難に立ち向かっていただきたいと期待をしております。  医療的ケア児への支援は、安全・安心な教育を保障する観点と、保護者の負担軽減といった観点からも着実に進めてもらいたいと考えています。  そこで、教育長に伺います。  県立特別支援学校において、医療的ケア児がより安全で安心して学べる環境を整えるため、医療的ケアの体制整備及び通学支援について、県教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 亀井議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、関東大震災100年目を節目とした災害対策の強化についてお尋ねがありました。  関東大震災から100年を機に、防災意識の向上や災害対応力の強化を図ることは重要であり、県は、令和5年度当初予算案に所要の予算を計上しました。  まず、防災意識の向上についてです。  県民の皆様が100年前、この神奈川で実際に発生した関東大震災の実態や教訓を正しく理解し、自分事と捉え、防災意識の向上につなげることは大切です。  そこで、県は、現在も県内の随所に残る震災遺構などを基に、当時の被災状況を再現する啓発映像を新たに制作し、テレビなど様々な媒体で発信します。また、震災復興のシンボルである県庁舎を舞台に記念シンポジウムを開催するほか、市町村や図書館、博物館と連携した企画展示などを展開します。  さらに、国が主催する国内最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい」が今年は神奈川で開催されます。県は、県内の大学やNPO、ボランティア団体などと共に積極的に参加し、県の主導の下でフォーラムやワークショップ等の企画を取りまとめ、普及啓発を強力に進めていきます。  次に、消防の対応力強化については、消防学校に設置した国内最大規模の訓練施設、かながわ版ディザスターシティのさらなる拡充を図ります。  具体的には、土砂災害での油圧ショベルの操作、住宅密集地の狭隘箇所や、河川に架かる橋からの救出のほか、ビルが倒壊し、瓦礫に埋もれた状況下での音響探知機やファイバースコープを活用した救出等、より高度な訓練ができるよう設備を充実させます。  予算案を議決いただき、整備が終了した後は、この全国に類を見ない、多様で実災害さながらの訓練環境を実現する施設を舞台に、かながわ消防訓練やビッグレスキュー等を展開し、自然災害や万一の武力攻撃事態等、想定されるあらゆる事態への対応力強化につなげてまいります。  次に、災害時の応急仮設住宅についてお尋ねがありました。  災害により、住宅を失った被災者に対し、仮の住まいとなる応急仮設住宅を迅速に提供し、生活再建につなげていただくことは大変重要です。  これまで県は、建設関係団体等と協定を結び、応急仮設住宅を供給する体制を整えてきました。また、協定を締結した団体や市町村と共に、応急仮設住宅を供給するためのマニュアルを整備し、実践的な訓練などを行っています。  県では、応急仮設住宅として、仮の住まいを新たに建設する建設型と、既存の民間賃貸住宅の空き室を借り上げる賃貸型の二つの方法で災害に備えてきました。  建設型は、一定の広さの土地にまとめて住宅を建てるため、被災者が現在のコミュニティーを維持したまま、集団で避難できる反面、建設にはある程度の時間が必要となります。  また、賃貸型は、既にある住宅を使うため、入居までの期間を短くできる反面、民間賃貸住宅の少ない地域では、供給が難しいなどの課題があります。  一方で、既に組み立てられていて移動が可能なムービングハウスは、提供できる事業者が限られているため、供給数は多くはないものの、設置までの期間が短く、複数の住宅をまとめて設置することも可能です。  また、本県においても、市街地から離れた民間賃貸住宅の少ない地域で、局地的な災害が発生した際などには有効で、従来型の課題を補うことができます。  そこで、今後、応急仮設住宅のこれまでの供給方法に加え、ムービングハウスも活用することとし、関係団体と災害時の供給に関して早急に協定が締結できるよう調整を進めます。  県は、こうした取組により、災害時における応急仮設住宅の選択肢を増やし、被災された方々の生活をしっかりと支えてまいります。  次に、犯罪被害者等への支援についてお尋ねがありました。  犯罪に巻き込まれ、心身に深い傷を負い、様々な困難に直面する被害者や御家族に対し、当事者目線に立って寄り添った支援を行うことは重要です。  県では、平成21年に、全国で2番目に犯罪被害者等の支援条例を制定し、県警察、NPOとの3者による全国初となる犯罪被害者サポートステーションを開設するなど、全国に先駆けた取組を進めてきました。  具体的には、無料でのカウンセリングや法律相談など、被害者のニーズに応じたきめ細かな支援に努めるほか、経済面からは、国の犯罪被害者等給付金を補完する観点から貸付金制度を運用してきました。  一方、犯罪被害者支援については、全国的に、居住地域によって支援に格差があるとの指摘があるほか、被害者団体からは、心のケアなど中長期的な支援の充実を望む声があります。また、全国的に見舞金制度の導入が増えつつある中、現在の貸付金制度について、利用状況や被害者のニーズを踏まえ、検証することも必要です。  そこで、県は、来年度の犯罪被害者等支援推進計画の改定に当たり、被害に遭われた当事者や有識者等による会議を設置し、見舞金制度の導入も含めた、経済面、生活面、心のケアなど、よりよい支援の在り方や支援の充実について、市町村との役割分担も踏まえて検討していきます。  また、地域における支援の底上げや、被害者へのきめ細かな生活支援を行う観点からは、住民に身近な市町村における支援の充実が重要です。  県はこれまでも、条例制定により支援を強化した市町の先進事例の紹介や、支援の充実に向けた検討会の開催など、市町村支援に努めてきました。今後は、県警察と共に、市町村を個別に訪問し、条例制定の意義や被害者等支援施策の重要性などについて丁寧に説明し、理解を得ていきます。  県は、こうした取組を通じて、犯罪被害者等支援のさらなる充実を図ってまいります。  次に、ケアリーバーの自立支援についてお尋ねがありました。  児童養護施設等から自立を余儀なくされた若者、いわゆるケアリーバーは、頼れる大人が身近にいないケースが多く、継続的に支援していくことが重要です。  県では、ケアリーバーの支援拠点として、あすなろサポートステーションを藤沢市内に設置し、生活、就労の援助のほか、法律相談や医療機関への同行など、一人一人の状況に応じた支援を行っています。  しかし、コロナ禍の影響で、ケアリーバーの生活は一段と厳しくなっており、令和3年度の相談件数は、平成30年度と比較して約4割増えています。また、相談内容も、突然、住まいや職を失い、今日寝るところにも困るなど、切迫した事案が増えており、こうした事案は、きめ細かいアウトリーチ支援が求められるため、藤沢1か所では、県内をカバーすることが困難になっています。  そこで、県では、令和5年度当初予算案に、新たに県央地域に、あすなろサポートステーションのサテライトを設置する費用を計上しています。  このサテライトには相談員を2名配置して、ケアリーバーの様々な相談に対応するとともに、あわせて、緊急時の一時的な住まいも提供して、生活の速やかな立て直しを図っていきます。  さらに、この一時的な住まいを活用して、新たに独り暮らしトライアル事業を立ち上げ、児童養護施設に入所中の児童を対象に、独り暮らしをイメージできる宿泊体験を行い、自立に向けた不安の軽減を図ります。  なお、このサテライトは、交通の利便性がよく、かつ落ち着いて相談できる場所へ速やかに設置したいと考えており、現在、準備を進めているところです。  県は、あすなろサポートステーションの充実強化により、ケアリーバーに寄り添い、しっかりと支援してまいります。  次に、若年性認知症の理解促進と就労支援についてお尋ねがありました。  若年性認知症は、65歳未満で症状が現れることから、現役で仕事をしている方も多く、発症した場合、退職などによる経済的困窮や仕事のやりがいの喪失といった、高齢期とは異なる課題があります。  このため県は、若年性認知症支援コーディネーターを県内3か所に配置し、御本人や御家族の就労等の相談に応じるとともに、医療、福祉、雇用の関係者のネットワークづくりを進めてきました。  また、若年性認知症の方にも、かながわオレンジ大使に就任いただき、生きがいを持って活動いただく様子を動画やイベント等で発信しています。  こうした中、公的機関が令和2年に行った調査では、発症時に就労していた若年性認知症の方の約7割が退職しているという実態が明らかになっています。  このような現状を変えていくためには、まず、企業等が若年性認知症の特性を理解し、従業員が発症しても、働き方や業務内容を工夫するなど、雇用を継続できる環境づくりを進めていくことが必要です。  また、症状が進行し、就労継続が難しくなった場合に、働く場を提供する障害福祉サービスや、地域で活躍できる場所を増やし、これらを当事者に知っていただくことも重要です。  そこで、県は、企業や福祉事業所などにアンケートを行い、若年性認知症の方の就労状況を把握するとともに、雇用継続や今後の受入れの拡大を働きかけます。また、今年度中に、県の認知症に関するウェブサイトに若年性認知症のページを新設し、アンケートで得た雇用継続の好事例や就労情報等を発信します。  さらに、就労の調整を行う若年性認知症支援コーディネーターの活用の働きかけや、若年性認知症の特性を紹介するリーフレットを発行し、企業等での理解促進と雇用継続や就労受入れが一層進むよう取り組みます。  こうした取組を通じて、若年性認知症の方の就労や活躍の場を広げ、生き生きと暮らし続けられるよう、しっかりと支援してまいります。  次に、共生社会の実現に向けたメタバースの活用についてお尋ねがありました。  共生社会は、人と人とがつながり合う機会が確保されていることが重要ですが、障害やひきこもりなどによって、生きづらさを抱える方の社会参加の機会は、まだ限られているのが実情です。  そうした中、インターネット上の仮想空間内で、アバターと言われる自分好みの姿で、他者とのコミュニケーションを可能にするメタバースが、新たな社会活動の場として注目されており、生きづらさを抱える方の社会参加にも大きな可能性を秘めているものではないかと考えています。  そこで、県は昨年12月に、障害者やひきこもり経験者、学識経験者などを構成員として、支援を必要とする方に対するメタバースの利活用などを議論する、ともいきメタバース研究会を立ち上げました。  当事者の構成員からは、メタバースで、もっと仲間や社会とのつながりを増やしたいなどの意見を頂いています。  こういった意見を参考にして、県では、令和5年度当初予算案に、障害者アートを活用したメタバース美術館の創設や、ひきこもりの方の居場所づくりに向けたメタバースイベントの開催経費などを計上しました。  さらに、これらの事業の中で、メタバース上で使用するデジタルコンテンツの作成技術を習得するための講習会の実施や、メタバースの普及で新たに生まれる働き方、例えば、アバターによる接客業などについての情報提供も予定しています。  そして、障害者やひきこもりの方が、メタバース事業を支える担い手として就労できる可能性についても検討していきます。  県は、新たなテクノロジーを積極的に活用しながら、誰もがその人らしく暮らすことのできる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  次に、県立がんセンターにおける高度ながん医療の提供についてお尋ねがありました。  がんセンターにおいて重粒子線治療施設を活用した医療インバウンドに取り組むことは、国際貢献の観点からも重要です。また、先進的なゲノム医療を進めることは、本県のがん対策の発展につながります。  まず、重粒子線治療施設を活用した医療インバウンドについてです。  県は、第3期中期目標で、県立病院が医療インバウンドに取り組むことを定めています。これを受け、がんセンターでは海外からの患者受入れに取り組んでおり、来年度の早い段階で治療が開始される見込みとなりました。  さらに、ベトナムの病院との間で、覚書─MOUの締結に向け調整を進めており、その内容には、重粒子線治療に加えて、研修受入れなども盛り込みたいと考えています。  次に、がんゲノム医療のさらなる推進についてです。  がんセンターでは、従来は保険適用の検査のみ実施をしていましたが、昨年4月からは、保険適用外でも希望があれば使用できる病理組織によるゲノム検査を開始しました。  また、この3月からは、患者の選択肢をさらに広げるため、県内の病院では初めて、血液検体による保険適用外の検査を開始します。この検査は、病理組織による検査と比べ、調べる遺伝子数は少ないものの、血液検査のみで実施でき、解析期間も約10日と短いため、早期の治療につながることが期待できます。  こうしたことにより、今後も、がんセンターが、がん診療連携拠点病院として、しっかりと機能を果たせるよう取り組んでまいります。  最後に、県営団地への子育て世帯の入居についてお尋ねがありました。  県営団地は、低廉な家賃で住宅を提供しており、住宅にお困りの方に対するセーフティーネットとして重要な役割を果たしています。  これまで県では、子育て世帯向けの支援として、中学生までの子供がいる家庭に対して、一般向け住宅とは別に、子育て世帯向け住宅という募集枠を設け、小中学校に近い団地の住戸を提供してきました。  しかしながら、国の独立行政法人の調査では、中学生がいる世帯よりも、高校生がいる世帯のほうが暮らし向きが苦しいと感じているとの結果が示されています。また、実際、高校生の子供を持つ御家庭から、家計の負担を減らすため、県営団地に住みたいので、優先的に入居できる子育て世帯向け住宅に応募できないかとの声も寄せられており、こうした希望に応えていく必要があります。  そこで、子育て世帯を広く支援する観点から、子育て世帯向け住宅の入居資格を、中学生までの子供がいる世帯から、18歳未満の子供がいる世帯にまで拡大する方向で検討します。  県は、こうした取組により、県営団地の住宅セーフティーネットとしての機能を一層強化してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔企業庁長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 髙澤企業庁長。 ◎企業庁長(髙澤幸夫) 企業庁関係の御質問にお答えします。  揚水発電所の意義を踏まえた今後の有効活用についてお尋ねがありました。  城山発電所は、全国の公営電気事業の中で唯一の揚水発電所であり、電気の使用が少ない夜間や、太陽光発電等の電力供給が需要を上回る際の余剰電力を使い、水をくみ上げておき、電力逼迫時に速やかに大出力で発電するなど、巨大な蓄電池とも言える調整機能を有しています。  昨年3月の電力需給ひっ迫警報や、その後の注意報の発令時には、頻繁に発電を行うことでセーフティーネットとしての役割を果たしました。  こうした重要な役割を担う揚水発電ですが、他の発電と異なり、緊急時以外の運用が限られ、収益性が乏しい上に、維持管理には莫大な費用がかかるという経営面での課題があります。  そのため、県は本年度、国に対し、揚水発電所の収益改善に向けた方策の検討や、維持管理・更新等に対する支援制度の創設を要望してきました。  そうしたこともあり、今般、国では、緊急時以外における運用を容易にするための制度見直しが行われました。また、維持管理コストに対する新たな補助制度に加え、将来の発電力確保の対価として、大規模改修に必要な資金が得られる新たな市場のスキームもつくられました。  このことにより、建造から58年経過した城山発電所においても、新たな市場からの資金や国の補助を生かしてリニューアルを図りつつ、活用の幅を広げていくことが可能となりました。  今後、県は、国庫補助の獲得や全面リニューアルに向けた計画の策定、新市場への参入戦略の検討を進めていきます。  また、令和6年度からの次期売電契約に向けたプロポーザルの中では、揚水発電の新たな利活用方策について、小売電気事業者から積極的に提案していただき、その実現を目指していきます。  城山発電所は、平常時の利活用次第では、将来のエネルギー政策の一翼を担い得る重要な施設です。いかなる用途にも耐え得る持続可能な施設に再整備し、今後も県民の皆様の命を支えてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  県立特別支援学校における医療的ケア児への支援についてお尋ねがありました。  現在、県立特別支援学校には約230名の医療的ケア児が在籍しており、看護師と資格を有する教員が必要なケアを行っています。  そうした中、近年、気管切開による人工呼吸器を使用するなど、高度な医療的ケアが必要な子供が増えています。県教育委員会では今年度から、こうした子供に看護師が1対1で対応できるよう体制を強化しており、来年度もこれを維持するため、看護師を増員したいと考えています。  また、県立特別支援学校に配置した救急救命士の資格を持つ事務職員が、一定の条件の下で、たんの吸引などを学校内で行える資格を取得し、昨年10月から、ケアに従事する、全国に類を見ない新たな取組も始めました。  こうした体制整備に加え、保護者が送迎せざるを得なかった医療的ケア児の通学を支援するため、今年度、福祉車両を活用する新たな取組を県内5地区10校で試行しています。地区によっては、福祉車両の手配が難しいなどの課題も明らかになりましたが、この取組を活用した保護者からは、負担が大きく軽減したとの評価の声を頂いています。  そこで、来年度は、課題の克服に向けて関係機関とさらに連携しながら、通学支援が必要な医療的ケア児が在籍する17校全てに、この取組を拡大したいと考えています。  県教育委員会としては今後も、医療的ケア児が安全・安心に学校生活を送れるよう、医療的ケアの体制整備や通学支援にしっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔亀井たかつぐ議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 亀井たかつぐ君。  〔亀井たかつぐ議員登壇〕 ◆亀井たかつぐ議員 知事、企業庁長、そして教育長におかれましては、前向きな御答弁、本当にありがとうございました。  もう再質問も必要ないかなと思ったんですが、1点だけ、ちょっとお聞きしたかったのは、県立がんセンターにおける高度ながん医療の提供についてなんですね。これは、知事から、すごく前向きな、3月から、血液検体を用いてのゲノム医療、パネル検査をやっていくという話があって、非常にうれしい情報だなというふうに思って聞いておりました。  その答弁の中で、血液検体からの採取ですと、解析期間が約10日なんですね。がん組織から取って、病理組織から取って調べるというと、大体二、三か月かかるところが10日間というスピードでできるということもありますし、あと病理組織を取って検査をすることが、もう困難なところまで行っちゃっている患者さんもいらっしゃると聞いているんですね。ですので、この血液検体を用いた検査法というのは、これからますます注目を浴びていくのではないかと思うんですが、今、知事からおっしゃっていただいたメリットのほかに、どういうメリットがあるのか、まだほかにもメリットがあると思って、私も今日、質問させていただいているという経緯もあるので、どのようなメリットがほかにあるのかというのを教えていただいてよろしいですか。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。  この検査は、身体の状態が悪く、組織の採取が困難な場合でも検査が可能であります。また、血液による検査であるため、特定の部位だけではなくて、体全体の状態を調べることができる、こういったメリットもあります。さらに、解析期間が短いため、症状に変化があった場合、再度検査を受けることで、その時点の状態の解析が可能である、こういった点もメリットであると考えております。  答弁は以上です。  〔亀井たかつぐ議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 亀井たかつぐ君。  〔亀井たかつぐ議員登壇〕 ◆亀井たかつぐ議員 知事、ありがとうございました。  昨年のちょうど同じ2月17日に代表質問をさせていただいたときに、がんセンターでのゲノム医療に関して、初期段階からという話で、昨年の4月からスタートして、今回は血液検体での検査ということで、それも来月からということで、本当に医療も日進月歩で進んでいるのはもちろんそうなんですけれども、がんセンターというか、病院機構の取組のスピード感というのは、非常に評価に値するなというふうに思いますので、スピード感を持って、ぜひこれからも取り組んでいただきたいと、そのように思っています。  あと、災害時の応急仮設住宅について、知事からムービングハウスについては、これはムービングハウス協会との協定ということをしっかりと迅速にやっていくんだと。そして、建てる仮設住宅と賃貸住宅と、そのほかにムービングハウスという選択肢を持って、災害時の皆様方の居住の安定に貢献していくというふうな答弁がありましたけれども、まさにそのとおりだと私は思っています。  ムービングハウスというのは、音の遮断もできますし、プライバシーも結構守られるというふうなものだというふうに聞いていますし、あと、もし人が住んでいなかったとしても、例えばほかの用途もあると。例えば感染症が広がったときのPCR検査に使うとか、また療養施設に使うということも考えられますし、ほかの用途でも使えますから、そういうことも踏まえた上で、対策を早急に行っていただきたいなと、そのように思います。  また、犯罪被害者等への支援について、これは私も質問の中で、神奈川県としては、今、貸付制度のみなんですね。それはちょっとどうなのかなと。犯罪被害に遭った方にお金を貸して、後から返してねというふうな話というのは、ちょっと酷だなというふうに思って、やはり見舞金制度という話のほうが、被害者の方々には、そして御家族の方々にはすごくマッチしていて、調べてみると、今のトレンドと言ってはあれですけれども、流れから言うと、見舞金制度のほうに、だんだん自治体のほうもシフトしていっているんじゃないかなというふうに思っています。  だからといって、貸付制度をやめて見舞金制度にするというふうな話ではなくて、両方とも両立させるような、お互いにメリット・デメリットがあると思うので、そういうことも考えながら、ぜひこの政策を進めていっていただきたいと、そのように思っています。  また、メタバースの話に関しては、知事から、このメタバースの事業自体での就労とか、メタバースを利用したことに伴う就労という話もしていただきましたので、就労につなげて、もっと生活全般に可能性を追求していくっていうことが、これから進めていかなければいけないことかなと、そのように思いますので、これに関しても、ぜひ前向きに、これからも迅速に取り組んでいただければなと、そのように思います。  県営団地への子育て世帯の入居に関しては、年齢資格において、中学生までのところを18歳までということで、本当に前向きに捉えていただいて、高校生の子供を持つ親御さんたちは、これですごく救われるし、喜ばれる方も大勢いらっしゃると私は思いますので、この取組も、ぜひ弱者の皆さんをしっかりと温かく見守るというか、崇高に高めていくというか、そのような姿勢を持って、これからも臨んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。  本日は大変ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時12分 休憩       ───────────── ◇ ─────────────
    △《本会議録-令和5年第1回-20230217-029371-質問・答弁-井坂新哉議員-代表質問①物価高騰対策について②安全保障に対する知事の政治姿勢と基地問題について③PFAS[有機フッ素化合物]について④県立総合療育相談センターと湘南東部障がい保健福祉圏域のサービス提供体制について⑤気候危機対策について⑥葉山港指定管理者の選定に係る住民監査請求の結果について》                   午後2時35分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共88名 ○議長(しきだ博昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 質問を続行いたします。  井坂新哉君。  〔井坂新哉議員登壇〕(拍手) ◆井坂新哉議員 日本共産党の井坂新哉です。  私は、日本共産党県会議員団を代表し、知事に質問をさせていただきます。  県の2023年度予算案は、知事選を控えて骨格予算として編成されたとのことですが、留保財源は約50億円で、実際はこれまで進めてきた政策をそのまま継続することや、喫緊の課題について予算の増額や新規事業なども示されております。これまでの政策に対する評価とともに、県民の切実な願いや生活をどう支えていくかなどについて、政策提案をしながら、質問をさせていただきます。  〔資料提示〕  質問の第1は、物価高騰対策についてです。  最初は、物価高騰の要因とアベノミクスの影響について伺います。  急激な物価高騰が県民の暮らしを厳しい状況に追い込んでいます。物価高騰の要因は多々ありますが、一番大きい要因となっているのは急激な円安です。この円安は、これまでの新自由主義的な経済政策やアベノミクスの影響が根本にあると言われています。  ある経済学者によると、円安の要因は、欧米各国と日本の金利差にあり、日銀が金利を上げられない理由は、アベノミクスの異次元の金融緩和によって、2022年9月末時点で日銀の国債の保有割合が50.3%、約536兆円という巨額な保有残高にあるとしています。  また、内需型産業の供給能力が衰退しているのと同時に、円安局面でも輸出数量が増えず、貿易赤字が定着しているのは、国内産業の空洞化と競争力衰退が進んでいることであり、これらは新自由主義に基づく経済政策によるものと指摘しています。  知事は、2017年の私の代表質問の答弁で、名目GDPや就業者数の増などを理由に、アベノミクスの効果が現れ始めていると答弁されました。しかし、先ほどの専門家の指摘にもあるように、日本経済の根本的な衰退が顕著になり、先進国の中では賃金の上昇のない数少ない国となっています。実質賃金は前年度比0.9%の減少、2015年を基準とした比較では2.4ポイントの減、リーマンショック後の2009年の実質賃金との比較では6.4ポイントも下がっている状況です。  そこで、知事に伺います。  現状の物価高騰の要因や経済状況とアベノミクスの関係について、どのように捉えているのでしょうか、そして、これまでのアベノミクスについては、どのように評価をされているのでしょうか、知事の見解を伺います。  次に、国や県の物価高騰対策についてです。  現在の物価高騰の影響を一番受けているのは、生活保護世帯や年金だけで生活する高齢者などの低所得世帯と、家計支出が多い子育て世帯などです。これらの世帯への支援が急務となっていますが、まずは、消費税の減税や年金の引上げなどの生活支援が大切です。  また、中小企業対策も重要です。今行っている賃上げのための優遇税制をさらに拡充することや、社会保険料の事業者負担に対する補助を行うこと、県として、県税である中小企業の事業税の減免などを実施することなどが大切です。  物価高騰対策は、基本的に国が中心となって取り組まなければいけない問題ではありますが、県として、県民生活を支援する立場から様々な方策を取ることも必要です。  その一つとしては、水道料金や介護保険料、国民健康保険料など公共料金の引下げなどを検討する必要があります。  〔資料提示〕  例えば、国民健康保険料は、国が決算補填目的の法定外繰入れを減らすよう自治体に求めている影響で、ここ数年、保険料の負担率が上昇しています。  また、県営水道の料金なども値上げの方向での料金改定の論議が進んでいますし、介護保険料は、保険制度導入時と比べると、65歳以上の第1号被保険者では、保険料が倍になっている状況です。このままでは、県民生活が成り立たなくなります。  そこで、知事に伺います。  消費税の減税や年金の引上げ、中小企業に対するさらなる賃上げ政策の実施などの物価高騰対策を国に求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。また、県として、水道料金などの公共料金や介護・国保の保険料などの引下げを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、生活保護について伺います。  私は、昨年10月の予算委員会で、物価高騰に見合った生活保護費の引上げを国に求めるよう質問しましたが、知事は、5年ごとの生活保護の見直しの時期であり、国で検討中だから、国に対して、生活保護費の引上げは求めないとの答弁でした。  〔資料提示〕  昨年12月に厚生労働省は生活保護費の引上げを発表しましたが、この内容は現在の物価高騰に見合ったものとは到底言えないものです。  厚生労働省の資料によれば、神奈川県においては、子供のいる世帯で1.5%から6.6%の引上げとなっていますが、75歳以上の後期高齢者の世帯では0%から0.6%と、非常に低い状況になっています。  この見直しは、総務省が調査している消費者物価指数を使わず、5年に1度、厚生労働省が独自に行う消費実態の調査を基に判断しています。そもそもこの調査自身が大きな問題です。  この調査は、生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準と均衡を図るとして、低所得世帯の消費実態の調査をしていますが、家計の支出は、収入がどれぐらいあるかをはかって決めるものであり、支出を削って赤字にならないように様々な手だてを取ることは当たり前です。低所得層の支出が下がっているから、生活保護を引き下げるということ自体、実態を反映していないものと言わざるを得ません。  そもそも、低所得世帯の生活水準が下がったというなら、生活保護を削るのではなく、低所得世帯の生活を支援することこそ大切だと思います。  〔資料提示〕  前回の生活保護費の改定以後、全国で生活保護費の引下げは憲法違反とした生存権裁判が起こされました。その中で、東京地裁、大阪地裁、熊本地裁、そして昨年10月には横浜地裁でも、生活保護費の引下げは違法との判断が下され、今年2月10日には宮崎地裁でも違法との判断が下されています。  裁判長は、判断は専門家による会議での議論を経ていなかった、また、引下げに際して用いた物価指数は、生活保護受給世帯の支出が少ないテレビやパソコンの価格下落の影響を大きく受けたもので、合理的関連性を欠いていると指摘し、引下げの判断は違法としました。  消費者物価指数は急激に上がっています。2022年12月の消費者物価指数は、総合指数で前年同月比4.0%の引上げとなっており、年間の平均で言えば、5年前の2017年との比較では3.7%上昇しています。  特に、日常欠かせない食料品や光熱費の上昇率は非常に高く、2022年12月の前年同月比では、穀類が9.6%、生鮮魚介類が16.2%、電気代21.3%、ガス代23.3%と急激な上昇です。  さらに、この2月には5,500品目の値上げ、6月からは、東京電力が平均で29.31%の電気代の値上げを申請するなど、ますます支出が増えることになります。  そこで、知事に伺います。  知事は、生活保護費の引下げが違法とされた裁判の結果について、どのように受け止めているのでしょうか、見解を伺います。その上で、国の消費実態の調査が現実の物価上昇に合っていないことから、調査の見直しを求めるとともに、消費者物価の上昇率に合わせた生活保護費の引上げを国に求める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  また、私たちは、冷房器具・クーラーの購入に対して、全ての生活保護世帯で生活保護費の対象にするよう求めてきました。生活保護世帯の半分以上は、65歳以上の高齢者です。夏の猛暑で熱中症などにかからないためにも、冷房器具は必須となっています。全ての生活保護世帯が冷房器具を購入できるように、生活保護費の支給対象とすることや、電力需要に見合った夏季の加算の検討などを、県として、国に求める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。また、国がそれらの実施をしないのであれば、県として独自の対応を図る必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、安全保障に対する知事の政治姿勢と基地問題について伺います。  政府は、12月16日に安保3文書の改定を閣議決定しました。この内容は、専守防衛を投げ捨て、敵基地を攻撃できる能力を自衛隊が保持することや、防衛費を大幅に増やし、トマホークなどのミサイルを購入することなどです。  これは、2015年の集団的自衛権を認める安保法の制定に続き、憲法違反のものであり、まさに戦争できる国づくりであり、自衛隊を日本の防衛とは関係のない台湾有事などに、米軍と一緒になって軍事行動を行うことができるようにするものです。  このような国の方向について、知事はどのように考えているのでしょうか。とりわけ神奈川には、米軍基地だけでなく、自衛隊の施設も多く、米軍との一体化、敵基地攻撃能力を持つことは、今まで以上に県民に危険が及ぶと考えられ、国の政策だからといって黙って見過ごすことはできないと思います。  敵基地攻撃能力の保持、米軍との一体化での集団的自衛権の行使などについて、どのようにお考えか、知事の見解を伺います。  また、国の政策変更に伴って、神奈川県民の安全や安心などについて、どのような影響が及ぶとお考えか、知事の見解を伺います。  次に、この安保3文書の改定に関連して、1月11日に日米2プラス2が開かれ、安保3文書の推進を確認しています。  〔資料提示〕  その中には、横浜ノース・ドックに新しい部隊を編成することが公表されました。  1月30日の米軍司令官との懇談の中で、知事は、地域住民の不安を取り除くため、情報提供を求めているとしていましたが、その後、記者には、中長期では縮小・返還を求めていくが、今は受け入れていくことになると発言され、容認する姿勢を示しました。  しかし、横浜ノース・ドックへの新部隊編成は、明らかに基地機能の強化に当たるものであり、安保3文書や日米2プラス2の関係でいけば、恒久的な配備になる可能性が高く、幾ら日米の間で取り決めたものとしても、基地の整理・縮小・返還を県是とする県として認めることはできないと考えます。  知事は国や米軍に対して抗議し、撤回を求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、有機フッ素化合物であるPFASについて伺います。  まず、米軍基地における流出問題についてです。  この問題は、2020年に政府がPFASの暫定目標値を1リットル当たり50ナノグラムと定めた以後、県の河川調査で暫定目標値を超えるPFASが検出されたことや、沖縄県嘉手納基地周辺で高濃度のPFASが検出されたことなどで、問題が浮き彫りになりました。  県内では、引地川水系や鳩川水系、座間市の水源などで暫定目標値を超えるPFASが検出されていますが、この原因調査はいまだ進んでいません。  我が団としても、昨年の本会議で続けて取り上げ、原因究明を求めてきました。  そのような中、5月に米海軍横須賀基地で高濃度のPFASの流出があり、さらに9月には、米海軍厚木基地でも流出事案の発生が続きました。  このような状況を受け、神奈川県基地関係県市連絡協議会として、この問題について2回の要請を政府に提出し、本県議会からも、10月に国に対して意見書を提出しました。その後、厚木基地では、10月、12月に2回、横須賀基地では、12月に立入調査が行われました。  このような立入調査は、これまでになかったことであり、県として努力されたことについては、重要なこととして受け止めています。  〔資料提示〕  しかし、この調査については、一定の限界も分かりました。  実際の調査は、米軍の判断で調査できるところを決めていたり、水の採取なども、米軍が決めたところでしか行えないなど、あくまでも現場確認という状況で、流出の範囲や程度、流出原因の特定につながるような調査が行われたとは言えない状況でした。  県内の米軍基地では、既にPFASを含む泡消火剤などは交換が完了したとのことですが、原因究明と被害状況の確認は引き続き行うことが必要です。  そこで、知事に伺います。  今後も、原因究明と、河川や土壌汚染の状況など被害状況の調査を引き続き行う必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  また、環境補足協定に基づいて基地への立入調査が行われましたが、課題が残ったと思います。どのような課題があると感じておられるのか、立入調査の実施に対する評価を含め、見解を伺います。  さらに、改善のためには、環境補足協定の見直しとともに、その根本にある日米地位協定の改定について、引き続き求める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  次に、暫定目標値を超えた地域での原因究明と調査についてです。  PFASの問題は、県内の河川の調査で問題になっているわけですから、米軍基地からの流出問題とは別に、原因究明と環境や人体への影響を調査する必要があります。  特に人体への影響という点では、水源地での暫定目標値を超えている状況や、2007年の県内河川での調査では、暫定目標値を超えるPFASが検出されていることから、その影響を調査することは大変重要です。  沖縄県の嘉手納基地周辺や東京の横田基地周辺では、住民の血中に含まれるPFASが多くなっているとの調査結果もあり、今後の人体への影響が懸念されます。  新聞報道によりますと、来年度、座間市では水路の調査を行う予算が組まれているとのことです。県として、座間市と連携して取り組むとともに、県内の河川で暫定目標値を超えていた引地川水系や鳩川水系などの周辺の土壌調査など行う必要があると思います。  そこで、知事に伺います。  県内河川でPFASの暫定目標値を超えた原因の究明を行うとともに、河川周辺の土壌調査や周辺住民の人体への影響調査を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、県立総合療育相談センターと湘南東部障がい保健福祉圏域のサービス提供体制について伺います。  10月の議会で当事者目線の障害福祉推進条例が可決され、今年4月から施行されますが、障害福祉サービスはまだまだ不十分な状況です。現在、県立総合療育相談センターは、短期入所事業が一時的に受入れ休止を繰り返している状況です。  私たちも、昨年11月に現場を視察させていただきましたが、その中でも、人材確保が進んでいない状況と今後の人員体制の困難さなどを伺いました。  この問題については、現在、県立総合療育相談センターのあり方検討会が設置され、検討が進められています。一刻も早く、短期入所事業の一時的な休止を正常に戻すことが求められます。  〔資料提示〕  一番の課題は、湘南東部障害保健福祉圏域において、短期入所を含む重症心身障害児・者のサービス提供体制が弱いことが挙げられます。2022年3月に策定された第6期神奈川県障がい福祉計画では、湘南東部の医療型短期入所サービスの見込み量は、2023年の見込みでは、1か月当たりの延べ利用日数209日となっており、単純に1日当たりにすると、最低でも7人の受入れ体制を常時備えておかなければなりません。  しかし、現在この地域で医療型短期入所事業を実施しているのは、総合療育相談センターを含めて2事業者となっており、この地域の事業者だけでは、利用者のニーズに応えることができない状況となっています。  そこで、知事に伺います。  このような現状を踏まえ、湘南東部障害保健福祉圏域のサービス提供体制の充実について、どのように検討しておられるのか、知事の見解を伺います。  また、県立総合療育相談センターにおいて、1日の受入れ人数の目標について、どう考えておられるのか、そして、その目標を達成するためには、医師や看護師は何人必要と考えておられるのかなどの人員体制について、知事の見解を伺います。  さらに、湘南東部障害保健福祉圏域では、重症心身障害児者施設がありません。保護者などからは強く要望されていますが、県として、設置に向けた動きが大変弱いように感じます。今後、民間事業者を含め、湘南東部障害保健福祉圏域における施設整備については、どのように検討されているのでしょうか、併せて見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、気候危機対策について伺います。  まず、地球温暖化対策に取り組んでいる既存の事業の拡充について伺います。  本県としても、地球温暖化対策に取り組んでおり、今回の予算説明でも、これまで2030年度の温室効果ガス排出削減目標を2013年度比46%から50%へと引き上げるなど、積極的に取り組もうという姿勢が見られます。  しかし、それでも2050年温室効果ガス実質排出ゼロを達成するには、まだまだ施策は十分とは言えず、さらなる地球温暖化対策事業の拡大が必要です。  現在、再生可能エネルギーの普及として、ZEH・ZEBの推進、自家消費型太陽光発電等導入費補助などを行っています。また、省エネ対策としては、既存住宅省エネ改修費補助や、今年度から始まった中小規模事業者省エネルギー設備導入支援補助があります。これらの事業については、2023年度予算案では前年よりも増額されています。  そこで、知事に伺います。  2023年度予算案で拡充した事業については、どのような考え方で拡充を行ったのか、知事の見解を伺います。  次に、太陽光パネル設置の促進について伺います。  最初に、県有施設への太陽光パネル設置の促進についてです。  このことについては、我が団としても、これまで議会で取り上げてきました。2023年度予算案では、県有施設の太陽光パネル設置促進に取り組むとし、2040年度までに設置可能な施設には100%設置を目指すとのことです。  私も昨年の代表質問で、県有施設への太陽光パネルの設置の促進、特に県営住宅への設置の促進を求めてきました。これら県有施設への太陽光パネルを設置するための具体的な内容として、どのような施設にどれだけの発電量の設備をいつまでに設置をする方向性なのか、知事の見解を伺います。  次に、住宅への太陽光パネル設置の促進についてです。  県としても、住宅への太陽光パネル設置に取り組んでいるところですが、さらに積極的に再生可能エネルギーの普及を進めることが求められます。  昨年、東京都がハウスメーカーなどに新築住宅への太陽光パネルの設置を義務化すると発表しましたが、川崎市でも、一戸建て住宅を含む延べ床面積2,000平方メートル未満の中小規模の建物の新築時には、太陽光パネルの設置を約20社のハウスメーカーに義務づけることや、2,000平米以上の大規模な事業所やマンションの新増築についても、再生可能エネルギー設備の設置を建築主に義務づける方向性が示されています。  県としても、同様の方式を検討する必要があると思いますが、知事の見解を伺います。また、その際、購入代金が高くなることが予想されますので、補助制度をつくる必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  そして、これらの政策は、新築住宅への義務づけとなっていますが、既存住宅などに対する支援も重要です。ゼロ円ソーラーや共同購入事業も進められていますが、住宅への太陽光発電を設置する際の補助制度を設けるなど、さらなる太陽光パネル設置に向けた取組を進める必要があると思いますが、知事の見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、葉山港指定管理者の選定に係る住民監査請求の結果についてです。  昨年10月の議会において、私は、葉山港の指定管理者の指定について、選定過程に問題があり、公正性を欠いた選定だったこと、条例違反は社会的に大きな影響を及ぼさないとした判断は県民の理解を得られるものではないとして、議案に反対するとともに、選定方法の改善を求めました。  今年の1月27日、横須賀市議会議員が起こした監査請求に対する結果が明らかになりました。監査結果は、請求人が主張する県への損害が発生するおそれがあるとは認められないとして請求を棄却しているものの、港湾部会における選定審査の過程は不当であったと言わざるを得ないと述べていることは重大です。  この判断に至った経過を見ますと、選定委員5名中4名に聞き取りをした結果、事前に横須賀市の条例に違反していたことを知っていたら、コンプライアンス、社会貢献や事故・不祥事への対応、個人情報保護の項目を減点していたという証言があったこと、さらに、この事業者が短期間に同じ区域で同じ態様の法令違反行為を繰り返していたことからすれば、一般的に見て、社会的影響は小さくないと言うべきであり、それは是正した事実や過怠金が納付済みであったという事実をもってしても変わるものではなく、公正な審査が尽くされるべきであるという観点から、報告書に記載を求めるべきであったと考えられるとしています。  そこで、知事に伺います。  問題となった事業者が受けた横須賀市の行政処分について、社会的に大きな影響を及ぼさないとした県土整備局の答弁と、今回の監査委員の指摘には大きな開きがあると思いますが、このような指摘について、どのように受け止めているのか見解を伺います。  また、公正な審査が尽くされるべきであるという観点から、報告書に記載を求めるべきであったという監査委員の指摘は、公正な審査という点で問題があったということだと思いますが、このような指摘について、どのように受け止めておられるのか、知事の見解を伺います。  以上で、1問目とさせていただきます。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 井坂議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、物価高騰対策について、何点かお尋ねがありました。  まず、物価高騰の要因とアベノミクスの影響についてです。  物価高騰の要因や経済状況とアベノミクスの関係についてです。  物価は様々な要因により変動するものですが、現在の物価高騰の要因は、主にウクライナ情勢等に伴う世界的な原材料価格の上昇によるものと考えています。  次に、アベノミクスに対する評価についてです。  安倍首相が就任した平成24年以降、辞任する令和2年9月までの間で見ますと、大規模な金融緩和策により、輸出企業の業況が好転するとともに、日経平均株価も1万円台から2万3,000円台に上昇するなど、企業の業績は回復しました。また、完全失業率も4%台から2%台に低下するとともに、有効求人倍率も0.8倍から1.1倍に上昇するなど、雇用情勢の改善も見られました。  一方、実質賃金は伸び悩んでいる状況でしたが、我が国の名目GDPは39兆円増加したことから、経済成長に一定の効果はあったものと考えています。  次に、国や県の物価高騰対策についてです。  まず、物価高騰対策等の国への要望についてです。  消費税は、将来にわたって社会保障の安定財源を確保する観点から導入されたものであり、年金制度の在り方は、社会保障制度全体の中で議論されるべきものであることから、消費税率の引下げや年金の引上げを国に要望することは考えておりません。  また、物価高騰に対応する賃上げ政策については、生産性向上への支援や価格転嫁の円滑化など、賃上げを可能とする環境整備の一層の推進を図るよう、全国知事会を通じて国に要望しています。  次に、公共料金等の引下げについてです。  県営水道は、燃料価格の高騰等に伴う支出増の影響が顕著に現れており、厳しい経営状況の下では、水道料金の引下げは困難です。  また、国民健康保険料は、医療費そのものが増加しているため、引下げは困難ですが、急激な保険料の負担増とならないよう、国に対し、財政支援策を講じることを求めていきます。  また、介護保険料は、保険者である市町村が3年ごとに必要となる介護サービスの量を踏まえて決定をしており、低所得者の負担を軽減する制度もありますので、県が引下げを求める予定はありません。  次に、生活保護についてお尋ねがありました。  まず、生活保護費の引き上げについてです。  平成25年度の保護費基準改定の取消しを求める訴訟は、現在、全国14の地方裁判所で判決が出ています。このうち5件で、原告側の一部勝訴となっていますが、国や関係自治体は控訴しており、訴訟は継続していますので、県としては裁判の行方を注視していきたいと考えています。  次に、国の消費実態の調査の見直しと保護費引上げの国への要望についてです。  令和5年10月に改定される生活保護基準について、国は、社会保障審議会において、消費実態に係る統計データ等を用いて、専門的な検証を行った上で、新たな基準の設定を進めていると認識しています。  例えば、一般低所得世帯の消費実態を反映し、子育て世帯などは引き上げるほか、足元の物価上昇を反映して、全ての世代において臨時的な加算措置を講じる方針が示されています。  県としては、消費実態の調査は国の責任において適切に実施するものであり、見直しを求めることは考えていませんが、今後、示される生活保護基準については、その詳細を確認した上で検討してまいります。  次に、冷房器具の購入及び夏季加算についてです。  生活保護制度では、平成30年度から、保護の開始時や転居時の際に冷房器具が設置されていない場合は、購入費用の一部を支給することができるようになりました。しかし、故障などにより、器具を更新する場合は、生活費で負担するものとされ、生活保護費の対象になっていません。  夏場の猛暑が続く近年では、冷房器具は健康に生活するために必要なものであり、買換えなどへの対応は、冷房器具を適切に使用するための夏季の光熱費とともに、生活保護制度に反映させる必要があると認識しています。  そこで、県は、冷房器具の更新や夏季の光熱費について、保護費で支給することができるよう、国に制度改正の意見を提出しています。  なお、生活保護基準や制度の運用については、国の責任において定めるべきことから、県が独自に冷房器具の購入に助成することは考えていませんが、低所得の方が冷房器具を購入する際には、無利子で、月々の支払いが比較的低廉な生活福祉資金を活用できますので、こうした制度を丁寧にお知らせしてまいります。  県は、生活保護が生活保護世帯の生活実態に即した制度となるよう、今後も国に改善を求めてまいります。  次に、安全保障に対する私の政治姿勢と基地問題についてお尋ねがありました。  まず、敵基地攻撃能力の保持についてです。  我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増している中、昨年12月、岸田内閣は新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画の、いわゆる安保3文書の改定を閣議決定しました。  我が国への侵攻に対する抑止力の強化を内容とする今回の改定は、国民の命と平和な暮らしを守るという国の最も重要な責務を果たすために、なされたものと受け止めており、県民の安全・安心の確保にも寄与するものと認識しています。  県としては、万一の事態から県民の命を守るため、国や市町村と連携し、避難施設の確保や情報受伝達体制の強化など、いわゆる国民保護にしっかりと取り組んでまいります。  次に、横浜ノース・ドックへの新部隊編成についてです。  横浜ノース・ドックは、横浜港の中心に位置し、市街地に所在していることから、新編される米陸軍小型揚陸艇部隊の活動内容によっては、周辺市街地や民間船舶等に影響を与える可能性もあります。  そこで、2月7日、県と横浜市を含む基地関係市で構成する基地関係県市連絡協議会として、当該部隊の活動内容等について適時適切に情報提供することや、周辺市街地や民間船舶等への影響を最小化するよう、万全の対策を講じること等を国に要請しました。  また、同協議会において、横浜ノース・ドックを含めた県内基地の整理・縮小・早期返還に取り組むことについても、引き続き、国に求めているところです。  さらに、米軍に対しては、1月30日に開催した在日米陸海軍司令官との意見交換会で、私から、部隊新編に関する情報共有の必要性について説明し、在日米陸軍司令官から、国を通じて情報を共有していくとの発言もありました。  横浜ノース・ドックにおいて新編される部隊については、配備撤回等を求める考えはありませんが、今後も横浜市等と連携し、適時適切な情報提供や必要な対策の実施を求めるとともに、県内基地の返還等を国に働きかけてまいります。  次に、PFAS(有機フッ素化合物)についてお尋ねがありました。  まず、米軍基地における流出問題についてです。  PFASの一種であるPFOS等の米軍基地からの流出事故については、原因究明を行った上で、再発防止等を図ることが重要です。  このうち、基地内の原因調査は、日米両国政府の責任において行うべきであり、いまだに流出原因が不明の横須賀基地について、基地関係県市連絡協議会において、早急な原因究明等を国に求めています。  基地の外の調査については、河川に放流している厚木基地下流の水質に流出の影響がないことを県が確認しています。土壌調査等は、測定法を国が検討中であり、情報収集していきます。  次に、県が行った厚木基地への立入調査への評価ですが、県が希望する調整池での採水が認められ、米軍から事故原因等の説明が行われたことは評価します。  一方で、環境補足協定では、結果の公表に米側の了解が必要であり、10月に実施した採水調査の結果を早急に公表できるよう、国に働きかけていきます。  さらに、こうした問題の背景には、日米地位協定に環境に関する規定がなく、基地内の環境管理が米側の裁量に大きく委ねられているという課題があります。このため、日米地位協定を改定し、我が国の環境法令を米軍に適用できるよう、国に働きかけていきます。  次に、暫定目標値を超えた地域での原因究明と調査についてです。  まず、原因究明については、継続的に目標値を超えている引地川で現在、調査を行っています。  次に、土壌調査については、PFASのうち、PFOS等については、水質は暫定目標値が設定されているのに対し、土壌については、濃度を把握するための測定法について、国が現在、技術的検討を進めている段階で、目標値もありません。また、人体への影響についても、国際的な統一見解がないことから、国が現在、毒性情報の収集等を進めています。  これらを踏まえ、国が先月、検討会を立ち上げたことから、県は、その検討状況を注視するとともに、河川水等の調査に引き続き取り組んでいきます。  県は今後も、水質の暫定目標値を超えた地域について継続的に監視等を行い、その結果の公表などをはじめ、県民の皆様に安心していただけるような情報発信に努めてまいります。  次に、県立総合療育相談センターと湘南東部障がい保健福祉圏域のサービス提供体制についてお尋ねがありました。  湘南東部障害保健福祉圏域のサービス提供体制の充実については、昨年9月に、外部の学識者等に協力を頂いて設置した県立総合療育相談センターのあり方検討会の中で、この圏域の短期入所や地域連携の在り方などを検討しています。  検討結果は、来年度の早い時期に報告書として取りまとめていただく予定であり、これに基づいて、早急に必要な対策を講じていきたいと考えていますが、短期入所の受皿の確保などについては、報告書を待たずに、医療機関等に精力的に働きかけるなど、早急に対応してまいります。  また、センターは、昨年度、病棟業務を含めて、常勤医師5人、非常勤当直医20人、看護師16人の体制により、短期入所者延べ174人を受け入れており、医療職の確保が難しい状況の中、現状を維持していくことを当面の目標としています。  次に、施設整備についてですが、重症心身障害児者施設は、専門性の高い医師や看護師が必要となることから、その確保が課題であり、民間も含め、新たな施設整備は困難な状況です。  このため、県は、障害保健福祉圏域を超えて受入れ施設の調整を行い、施設利用を希望する方のニーズに対応しています。  また、医療機関へ短期入所事業所の開設の働きかけや、福祉施設が行う短期入所事業所に対して、市町村と共に看護職員の配置を支援するなど、重症心身障害児・者の支援体制の充実に引き続き努めていきます。  次に、気候危機対策について、何点かお尋ねがありました。  まず、地球温暖化対策に係る既存事業の拡充についてです。  脱炭素社会の実現のためには、あらゆる主体が脱炭素を自分事として捉え、オールジャパン、オール神奈川で取組を広げていくことが必要です。  そこで、県の役割として、県民や企業の皆様など各主体の取組の後押しや、県庁の率先実行に取り組むこととし、令和5年度当初予算案では、前年度から約27億円増となる約62億円を計上しました。  既存事業については、事業所向けの自家消費型再エネ導入補助を約3倍、住宅の省エネ改修補助を20倍としたほか、県有施設への太陽光発電導入も約18倍にするなど、予算額を大幅に拡充しています。  また、こうした取組を継続的に実施できるよう、必要な資金を気候変動対策基金に積み立てることとしています。  県としては、各主体の取組をしっかり後押しし、オール神奈川で総力を挙げて脱炭素社会の実現を目指してまいります。  次に、太陽光パネル設置の促進についてお尋ねがありました。  まず、県有施設への設置の促進についてです。  脱炭素社会の実現に向けて企業や市町村の取組を促すためにも、県が率先して県有施設への太陽光発電の設置を加速させる必要があります。  そこで、県は、太陽光発電を設置可能な県有施設について、2030年度までに50%、2040年度までに100%設置することを目標に掲げています。この目標を達成するため、現在、各施設の状況について詳細な調査を行っており、来年度中に具体的な設置箇所やスケジュール等を定めた整備計画を策定したいと考えています。  なお、脱炭素は喫緊の課題であることから、令和5年度は10億円の予算を計上し、整備計画の策定を待つことなく、できるところから速やかに設置を進めたいと考えています。  こうした取組により、県有施設への太陽光発電の設置を加速させてまいります。  次に、住宅への設置の促進についてです。  住宅への太陽光発電の導入を促進させるためには、県民の皆様が脱炭素を自分事として捉え、自ら率先して設置していただくことが重要であることから、直ちに設置を義務化する考えはありません。こうしたことから、令和5年度は県民の皆様の自分事化を後押しする取組を進めたいと考えています。  具体的には、太陽光発電のメリットや支援策をPRするため、住宅地での説明会を新たに実施します。また、初期費用の負担なしで設置できるゼロ円ソーラー補助の事業費を約2倍にするとともに、ZEH導入補助の補助単価を大幅に引き上げます。さらに、市場価格より安い費用で購入できる共同購入事業を引き続き実施します。  こうした取組を推進することで、脱炭素社会の実現に向けて、住宅への太陽光発電のさらなる導入促進を図ってまいります。  最後に、葉山港指定管理者の選定に係る住民監査請求の結果についてお尋ねがありました。  選定のやり直しなどを求めた住民監査請求の結果では、外部評価委員会における選定審査の過程は不当であったとはされましたが、県に損害が発生するおそれは認められないとして棄却されました。この監査結果は、監査委員という独立した機関からの指摘として真摯に受け止めています。  県としては、今回選定した事業者が過去に横須賀市の行政処分を受けた件について、既に市の指導を受け、現地の是正や必要な手続も行われ、適正な状況となっていること、また、選定基準に基づき、外部評価委員会によって審査が行われており、その結果、当該事業者が第1順位に評価されたこと、こうしたことから、指定管理者制度の運用に関する指針にのっとり、候補者の選定を行いました。  答弁は以上です。  〔井坂新哉議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 井坂新哉君。  〔井坂新哉議員登壇〕 ◆井坂新哉議員 知事から答弁いただきましたので、何点か再質問をさせていただきます。  最初に、物価高騰対策のうち、生活保護に関連して再質問をさせていただきます。  裁判の結果、今はまだ控訴されていますので、裁判中だから注視するということのお話がありました。同時に生活保護基準の見直し、調査については見直しを求めないということではありましたけれども、私はやはり気になって、どうしてもこれはおかしいと思っているのは、今回の生活保護基準の改定、先ほど資料も出しましたけれども、75歳以上の高齢者は、生活保護基準が0%から0.6%という状況で、消費者物価指数の上昇率とは到底合っていないと私は思っているんです。  そうすると、これは知事の認識として聞かせていただきたいんですが、75歳以上の生活保護世帯は、現在の物価高騰の影響を受けていると思っているのでしょうか、思っていないんでしょうか。要するに、物価高騰の影響を受けているんであれば、生活保護基準を上げないと、到底生活できなくなるということなので、まずは知事の認識として、75歳以上の生活保護世帯は現在の物価高騰の影響を受けていると思っているのかどうか、聞かせていただきたいと思います。  2点目は、PFAS(有機フッ素化合物)に関連して暫定目標値を超えた地域での原因究明と調査についてです。  今、国のほうが土壌調査については検査方法などを今、考えているということで、検討をしているということではありますけれども、実はアメリカでは、このPFASの規制は厳しくなっています。アメリカの環境保護庁では、PFOSでは1リットル当たり0.02ナノグラム、PFOAでは1リットル当たり0.004ナノグラムと厳しくしています。  さらに、人体への影響についても、アメリカやヨーロッパでは、人への影響に関する追跡調査も行っているというふうに言われていて、アメリカの専門家チームは、精巣がんや腎がんのリスクを増加させ得ると結論づけたとも報道されているわけです。  このような状況を見ると、予防的な観点から、今、調査方法が確立されていないとか、検討を進めているっていう、こういう状況かもしれませんが、まずは調査するっていうことが大事だと思うので、今、沖縄や東京などでも行われていますから、国に対して早急に調査を進めるように求めるべきだと思うのですが、知事の見解を聞かせていただきたいと思います。  最後に、県立総合療育相談センターと湘南東部障がい保健福祉圏域のサービス提供体制についてですけれども、今、様々、取組をされているということではありますが、しかし、これではなかなか進んでいないというのが今の現状なのですね、サービス提供体制は充実できていない。この状況を改善するために、いつまでにこの体制の強化を図るつもりなのかを聞かせていただきたいと思っています。  さらに、サービス提供体制を責任を持って増やすためには、今の取組だけじゃ駄目で、県としての予算措置を含めた支援策の充実をしなきゃいけないと思うんですが、どのように考えているのか、聞かせていただきたいと思います。  よろしくお願いします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えしてまいります。  まずは、物価高騰対策についてでありますけれども、令和5年10月からの生活保護基準を検討した国の社会保障審議会では、物価上昇を背景に、消費実態等の社会経済情勢が変化していることについて適切に配慮する必要があるといった意見が付されまして、国は全ての世帯に臨時的な加算を行う方針を示しています。  また、一時扶助や加算を含めた生活保護基準の詳細は、今後示されることから、その内容を確認した上で検討していきたい、そういうふうに考えております。  75歳以上に物価高騰の影響はあると思うかという御質問でありますけれども、これは75歳以上だけではなくて、全ての世代に物価高騰の影響は当然あるというふうに思っています。  それから、PFOSの問題でありますけれども、土壌調査や人体の影響調査についてのお尋ねでありました。  これは全国に共通する課題である土壌や人体への影響に関する調査手法や評価、こういったものは、国の責務で取り組むべきものでありまして、県は、国が現在取り組んでいるPFOS等の取扱いをやっていますから、この検討を注視してまいりたいと考えています。  それから、総合療育相談センターの短期入所の機能が十分に発揮できていない、これは重く受け止めております。センターのあり方検討会の検討結果は、来年度の早い時期に報告書として取りまとめていただく予定でありまして、これに基づいて必要な対策を講じていきたいと考えています。  また、短期入所の受皿の確保などについては、報告書を待たずに、医療機関へ短期入所事業所の開設の働きかけや、福祉施設が行う短期入所事業に対して市町村と共に看護職員の配置を支援する事業を実施して、当事者とその家族の安心につながるよう努めてまいりたいと考えております。  答弁は以上です。  〔井坂新哉議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 井坂新哉君。  〔井坂新哉議員登壇〕 ◆井坂新哉議員 それでは、最後に、意見を何点か述べさせていただきます。  最初に、生活保護費に関連しては、75歳以上、影響あるというのは知事も述べられたとおりだと思うんです。やっぱり影響があるという認識を示されたんであれば、それに見合った生活保護費の引上げをきちっとしてくれというふうに国に求める必要があると思いますので、ぜひそのことはお願いしたいと思います。  それから、PFASの問題ですけれども、国の動向を注視するということですが、今もう沖縄や東京で、これは民間のところがやっているかもしれませんが、血中濃度の調査なんかはされているわけですよね。こういうことを早く、予防的にやっておかなければ、いざ、問題になったときに、どういう結果か分からないではなくて、そこからスタートじゃなくて、今からスタートしておくということが大事なので、注視するだけじゃなくて、すぐに進めるように、ぜひ取り組んでいただきたいということを最後に申し述べまして、私からの代表質問とさせていただきます。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時30分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和5年第1回-20230217-029372-質問・答弁-近藤大輔議員-代表質問①脱炭素社会の実現に向けた機運醸成について②相模湾における藻場の再生について③人口減少局面における社会増に向けた市町村との連携について④中小企業の事業継続に向けた金融支援について⑤公契約条例の制定について⑥フリースクール等と連携した不登校対策について⑦公立中学校における部活動の地域移行について⑧神奈川県警察交番等整備基本計画の推進状況と今後の進め方について》                   午後3時50分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共86名 ○副議長(曽我部久美子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 質問を続行いたします。  近藤大輔さん。  〔近藤大輔議員登壇〕(拍手) ◆近藤大輔議員 かながわ県民・民主フォーラム県議団の近藤大輔です。  議長のお許しを頂きましたので、私は、かながわ県民・民主フォーラム県議団を代表して、通告に従い、提言を交えながら順次質問させていただきます。  知事、教育長並びに警察本部長におかれましては、明快な御答弁のほど、お願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いを申し上げます。  早速質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、脱炭素社会の実現に向けた機運醸成についてです。  気候変動を要因とした自然災害が世界各地で発生しており、地球温暖化は人類の喫緊の課題となっております。  既に150を超える国や地域が脱炭素社会の実現を目指していますが、ロシアによるウクライナ侵略によって、化石燃料の価格が上昇するという新たな課題にも直面しており、エネルギーの大半を海外からの輸入に依存する我が国としても、脱炭素の取組を加速させる必要があります。  こうした中、国は、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革、GX─グリーントランスフォーメーションを実行すべく、2022年7月にGX実行会議を設置いたしました。  このGX実行会議が取りまとめ、その後の手続を経て、今月10日に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針では、徹底した省エネの推進や再エネの主力電源化等に取り組み、エネルギーの安定供給の確保を大前提として、GXを推進するとしています。  一方、県は、東日本大震災による電力不足を契機として、かながわスマートエネルギー計画を策定し、エネルギーの安定的な確保を目的として、太陽光発電設備など再エネ導入に取り組んできましたが、これまで設置が思うように進んでいないのが実情であります。  この計画を策定して以降、脱炭素が世界的な潮流となり、社会情勢等が大きく変化していることから、県は、脱炭素の取組を総合的かつ効果的に推進するため、来年度改定する神奈川県地球温暖化対策計画に、かながわスマートエネルギー計画を一本化することとしています。  両計画を統合し、再エネと省エネの取組を一体的に推進することは必要ですが、脱炭素化の取組は、国や自治体、企業、県民など様々な主体が、脱炭素社会が実現した将来像のイメージを共有し、理解した上で進めていかなければ実効性は上がりません。  〔資料提示〕  県が2021年11月に公表したかながわ脱炭素ビジョン2050では、脱炭素社会の実現に向けて、家庭生活におけるライフスタイルを中心に、県民がどうすれば日々の暮らしを脱炭素型に変えていくことができるかなど、2050年の脱炭素社会が実現した将来像や、今からできることなどが示されていますが、ビジョンに描かれた将来像を実現するためには、まずは多くの県民にビジョンを知ってもらう必要があります。  また、脱炭素社会の実現という目標を達成するためには、あらゆる主体の取組を総動員することが不可欠であり、各主体の取組を進めるに当たっては、とりわけ県民が脱炭素を自分事と捉え、一人一人が自らの行動を変革し、県民総ぐるみで取り組む必要があります。  そこで、知事にお伺いいたします。  県民に脱炭素を自分事化してもらうため、脱炭素社会の実現に向けた機運醸成に、どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第2は、相模湾における藻場の再生についてです。  私の地元である逗子、葉山の海をはじめ、相模湾沿岸の海域には、大型の海藻であるカジメやアカモクなどが生い茂った海藻の森である藻場が広がり、アワビやサザエ、イセエビなど様々な水産資源を育んでおります。  しかし、近年、海水温の上昇により、海藻を食べるウニなどが増え、海藻を食べ尽くしてしまうことで、藻場が消失してしまう磯焼けが全国的に広がり、大きな問題となっています。  相模湾沿岸の海域において、この10年ほどの間に急激に藻場が失われており、アワビなどの漁獲量が大幅に減少し、漁業者の生活に大きな影響を及ぼしています。  私も、地元の漁業者や市民と共に海に赴き、磯焼けの現場を見てきましたが、海藻は消失し、深刻な状況であります。藻場はアワビやサザエ、イセエビなどの良好な漁場であるとともに、魚の稚魚を育む命の揺り籠であり、海の生態系にとって大変重要な存在であるとともに、最近では、海藻が地球温暖化の原因である二酸化炭素の吸収源として注目も集めています。  陸上の樹木などに吸収された二酸化炭素がグリーンカーボンと呼ばれるのに対して、海藻などの海の生物に吸収された二酸化炭素はブルーカーボンと呼ばれ、四方を海に囲まれた我が国では、二酸化炭素の吸収源として、そのポテンシャルは大きいものと大変期待をされております。  〔資料提示〕  こうした中、地元の逗子市や葉山町では、漁業者やNPO、民間企業などが連携し、ウニを海底から除去して、キャベツウニとして養殖して販売するなど、また、ウニを堆肥化し、畑に利用するなど、藻場を再生する活動に取り組んでおります。  また、葉山町では、漁業者が民間企業や地元小学校などと連携して、アマモなどの海草を海に移植したり、ダイバーなどと連携して、カジメやワカメを養殖するなど、ブルーカーボンの増大に取り組んでおり、この成果がクレジットとして、国の認可を受けた民間団体の独自の認証を受け、現在、クレジットの購入希望者の募集が行われています。  このように、海に海藻を増やすという一つの取組が、水産資源を増やす藻場の再生と、脱炭素社会の実現に向けたブルーカーボンの増大という、漁業と地球環境の双方に大きな利益をもたらすとともに、漁業者と一般市民、民間企業など多様な主体が協力して成果を得ることができる、すばらしい取組であることから、県としても積極的に進めていくべきだと考えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  水産業の振興と脱炭素社会の実現の双方に大きく貢献する藻場の再生について、県として、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第3は、人口減少局面における社会増に向けた市町村との連携について伺ってまいります。  県が先月発表した人口統計調査結果によれば、令和5年1月1日現在の本県の人口は約922万8,000人となり、前年同月と比べ約3,000人減少しました。本県の人口は、令和3年10月から前年同月比で減少が続いており、本県の人口は減少局面に入ったと言えます。  令和4年は、自然減が約4万1,000人、社会増が約3万8,000人となっており、増え続ける自然減を社会増で補うことができなくなっています。  〔資料提示〕  社会増に関しては、総務省が先月公表した令和4年の住民基本台帳人口移動報告によると、東京都では、転入者が転出者を上回る転入超過が前年に比べ3万人以上増えており、東京への人の流れが戻り、東京一極集中の傾向が再び強まっているとの報道がなされています。  一方、本県は、転入超過が継続しているものの、超過幅は4,000人程度縮小しており、本県と東京との間の転入・転出もコロナ禍において、東京都に対して転入超過となっているものの、超過幅は7,000人程度縮小しています。  将来にわたって地域に活力を与えるため、県は、平成27年度に神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、人口減少を見据え、自然増、社会増に向けた対策を行ってきたと承知しています。  自然増については、その対策を講じることは欠かせないものの、早々に状況を改善させることは難しく、国全体の課題でもあり、国においても対策を検討していることから、国と歩調を合わせながら長期的に取り組まざるを得ないものと考えます。  人口減少局面において、地域の活力を堅持するという観点では、当面増え続ける自然減をカバーするため、社会増に向けた対策について重点的に取り組むべきと考えます。  社会増に向けては、県は、人口減少地域において地域プロジェクトを展開し、市町村と連携した取組を行っていますが、地域内においても、市町村が置かれている状況と課題は様々であります。  〔資料提示〕  例えば、企業誘致の例を取っても、私の地元である逗子市では、大規模な事業所を誘致するような、まとまった場所の確保は難しいことから、ワーケーション、サテライトオフィスの設置を推進することにより、人々を呼び込もうとしています。  社会増に向けた対策は、基本的に市町村が行うべきものでありますが、県は広域自治体として、市町村それぞれの課題を十分に踏まえながら、こうした取組をきめ細やかに後押しすることが求められています。  そこで、知事にお伺いいたします。  人口減少局面においては、自然増に向けた対策と併せて、社会増に向けた対策が必要と考えますが、その重要性についてどのように考えているのか、また、社会増に向けて、市町村が置かれている様々な状況、課題に対して、県としてどのように後押しをしていくのか、御所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第4は、中小企業の事業継続に向けた金融支援について伺っていきます。  第8波となった新型コロナウイルスの感染は、年を明けてから減少傾向にあり、5月には感染症法上の位置づけが2類から5類に引き下げられます。  一方で、米国ではオミクロン株の一つ、XBB.1.5が急速に拡大しており、今後も新たな変異株の感染拡大が懸念されるなど、感染拡大防止を行いながら、社会経済活動をしっかり回していくことが重要となっています。  〔資料提示〕  県は、コロナ禍での中小企業支援として、これまで、飲食店向けの協力金やビジネス転換への補助など、各種の給付金や補助金、融資などの事業者支援策を実施し、県内企業の99%以上を占める中小企業の事業継続を支援してきました。  特に、実質無利子、保証料ゼロの、いわゆるゼロゼロ融資をはじめとする資金繰り支援の結果、これまでの企業倒産件数は、半世紀ぶりの歴史的低水準に抑えられてきましたが、民間調査機関の発表では、昨年の神奈川県内の企業倒産数は406件となり、前年比12.8%増と、ここに来て3年ぶりの増加に転じたとのことであります。  こうした倒産の増加は、コロナ禍に加え、昨年来の物価高騰や人件費増などのコスト上昇、人手不足など、県内中小企業の置かれた経営環境が、今まさに大変厳しい状況であることを意味していると考えています。  また、欧米諸国では、インフレ抑制のため政策金利が引き上げられ、長期金利が上昇していますが、国内でも、昨年末の日銀の政策変更以降、住宅ローンの固定金利が上昇しており、今後、事業資金の調達金利も上昇するのではないかと心配する中小企業の声も届いております。  もしも借入れが膨らんでいる状態で金利が上昇することとなれば、中小企業の資金繰りに大きな影響を与えかねません。さらに、令和2年度に実施したゼロゼロ融資については、最長5年間の元金据置期間があるものの、3年間の無利子期間が早ければ今年の5月に終了し、返済のピークを迎えます。今後は、利子分が加わり、返済負担が増加することで、これまでどうにか事業継続してきた中小企業が息切れを起こすのではないかと心配するところであります。  そこで、知事にお伺いします。  ゼロゼロ融資などの融資を返済していかなければならない県内中小企業を金融面からどのように支援し、その事業継続を支えていこうと考えているのか、知事の所見をお伺いします。  〔資料提示〕  質問の第5は、公契約条例の制定について伺ってまいります。  私は、かねてから労働問題に高い関心を寄せており、千葉県野田市が平成21年に全国で初めて公契約条例を制定した際にも、本県の取組について質問をしてきました。  その当時、知事からは、既に条例制定している野田市の状況や国の動向を把握し、その内容や必要性について検討するとの答弁でありました。  その後、本県においても、有識者による公契約に関する協議会が設置され、公契約条例の制定について議論がされてきました。  その報告によると、公契約条例の導入については、必要とする意見と適切ではないとする両方の意見があったことや、入札・契約制度の見直しや賃金実態調査、公契約条例制定自治体の運用状況調査を実施するなど、条例について検討してきていることは承知をしています。  〔資料提示〕  現在の公契約条例制定自治体数は、全国で令和4年3月末までに、76の自治体が公契約条例を制定している状況であります。  そうした中、依然として続いている新型コロナウイルス感染症の影響によって、景気の先行きが不透明な状況が続いており、労働者の賃金水準等を含めた労働環境の整備に関する取組が必要だと考えています。  エネルギー、原材料や食料等の価格高騰などにより、物価の上昇が続いており、総務省統計局の調査では、2022年12月の消費者物価指数では、前年同月比で4%上昇、この上昇率は、第2次オイルショックの影響で物価が上がっていた1981年12月以来、41年ぶりの高い水準となっています。  経済が持続的に成長していくためには、物価上昇に見合った賃上げを実現し、賃上げが個人消費の増加をもたらし、さらに企業の収益増加につながるという物価と賃金の好循環が欠かせません。  国内アパレル最大手の企業では最大4割の賃上げを発表し、政府もインフレ率を超える賃上げの実現を経営者団体に要請し、経営者団体においても、賃上げは責務としており、例年以上に賃上げへの期待が高まっている昨今であります。  一方、労働者の7割近く占める中小企業は、賃上げの原資を確保するためには、コスト上昇分を取引価格に上乗せする価格転嫁が必要となりますが、受注関係などから、その実現は難しい面があるのではないでしょうか。  また、公契約について見れば、金額は競争入札によって決定されるため、受注側の過当競争が相まって受注価格の低下が続くと、結果として、中小企業などの労働者の賃金、労働条件の低下を招いてしまう懸念もあります。  こうした状況を踏まえると、私としては、地域で働く人の適正な労働条件の確保には、公契約条例が有効ではないかと考えています。  そこで、知事にお伺いします。  公契約条例についての知事の所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第6は、フリースクール等と連携した不登校対策について伺ってまいります。  公立小中学校における不登校の児童・生徒数は依然として増加傾向にあり、長引くコロナ禍において、さらにその数は増加しています。  こうした不登校の子供たちの支援については、我が会派としても以前から注目しており、フリースクール等との連携やICTを活用した学習の保障等、本会議において質問し、教育長からは、支援の充実について前向きな答弁を頂いてきたところであります。  〔資料提示〕  学校外の学びの場として、県内では多くのフリースクールやフリースペースが活動を行っており、それぞれの団体が特色ある指導方法により、様々な理由から学校に通うことができない子供たちを受け入れています。  そうしたフリースクールなどの中には、通うために順番待ちをしているところもあり、不登校の子供たちの受入れ先として、そのニーズの高さがうかがえます。  また、フリースクールなどに通う子供たちの中には、地元のフリースクールには通いづらいと思う子供もおり、実際に、私の地元である逗子市においても、近隣の鎌倉市や葉山町のフリースクールに通っている子供もいます。  こうした状況を考えると、不登校の子供たちにとっては、近隣のフリースクールでなく、他の市町村などで活動しているフリースクール等の情報に触れられるようにすることも必要だと考えます。  県教育委員会ではこれまでも、不登校支援として、県内のフリースクール等や市町村教育委員会、公私立の高校などと連携して、不登校相談会を開催していますが、県教育委員会が中心となって、各地域におけるフリースクールなどの活動について、学校や市町村教育委員会と共有を図り、不登校支援をさらに充実したものにしてもらいたいと思っています。  そこで、教育長にお伺いします。  県内各地域で行われているフリースクールなどの活動に関し、活動内容や培った知識または経験を小中学校や市町村教育委員会と共有し、不登校の子供たちへの支援に生かしてもらいたいと考えますが、教育委員会として、どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第7は、公立中学校における部活動の地域移行についてです。  公立中学校部活動の地域移行については、令和3年より、様々な場面で議論がなされ、部活動を取り巻く現状や課題などが明らかにされてきました。  昨年6月と8月には、国の検討会議から、スポーツ庁、文化庁、それぞれに提言が提出され、これを受けた国は12月に、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインを公表したところであります。  〔資料提示〕  各市町村においても、地域移行についての検討を行っていると思いますが、実際のところ、スポーツや文化芸術に関する地域の資源などが少ないといった理由から、思うように検討が進まない市町村もあるのが実情ではないでしょうか。  中学校における部活動の指導について、学校現場の教員からは、大会等の引率で休めず負担であるといった声や、自分が経験したことのない部活動をしなければならず、体力的にも精神的にも負担が大きいなどという声が私のところにも届いています。  また、学校の部活動には所属せず、地域のクラブに所属して活動を行ってきたという中学生の保護者からは、中学校単位の大会に出場したい意向があるが、参加がかなわない状況であるといったことも伺っています。このように悔しい思いをしている生徒がいることは、とても残念であります。  私としては、地域への移行が進められることによって、教員の負担が軽減されたり、大会参加についても、学校単位という条件に縛られることなく、地域のクラブとして大会に出場することが受け入れられるようになっていくのではないかと期待しており、取りかかれるところから、移行に向けた取組を進めていってほしいと考えています。  そこで、教育長にお伺いします。  国のガイドラインが示されましたが、本県における公立中学校部活動の地域移行の取組について、今後どのように進めていこうと考えているのか、所見をお伺いいたします。  〔資料提示〕  質問の第8は、神奈川県警察交番等整備基本計画の推進状況と今後の進め方についてお伺いしてまいります。  県警察では、交番等における事件事故等の対応力強化や交番施設の老朽化問題などへの取組として、平成31年に神奈川県警察交番等整備基本計画を掲げ、令和2年度から令和11年度までの10年間で県内の交番を約70か所統合し、おおむね400か所にしていく計画を進めているものと承知をしております。  交番は、安全・安心のよりどころとして地域に身近な存在であり、交番を統合することに不安を覚えたり、抵抗感をお持ちになる地域住民の方もおられると思います。  昨年、私の地元である逗子駅前交番が統合されたとき、地域の皆様から、交番の統合は本当に必要なのか、交番が統合された後の治安は大丈夫なのかといった声を実際にお伺いしまして、私自身も、交番が地域にとって重要な存在であることを改めて認識した次第であり、交番の統合を進めていくためには、そのような地域の皆様の声に真摯に耳を傾け、しっかりと対応していくことが必要であると痛感いたしました。  〔資料提示〕  県警察では、交番統合後の治安対策として、アクティブ交番の導入や、交番、パトカーなどによるパトロール強化をするなど、制服警察官の姿を見せる活動を積極的に展開していると伺っております。  また、アクティブ交番を配備している20の警察署において、高齢者や困り事を抱えているお宅を中心に、パトロールを実施しましたが異常ありませんなどと一言添えたパトロールカードを、これまで1万枚以上配布されたということであり、地域の安全・安心感の醸成に大きく寄与した活動を行っていただいているものと認識をしております。  今後も、この整備計画に基づく交番統合を計画的かつ円滑に進めていくためには、地域の皆様の不安を払拭し、御理解と御協力を得ていくことが必要だと思います。  そこで、警察本部長にお伺いをいたします。  神奈川県警察交番等整備基本計画の推進状況と今後の進め方について、御所見をお伺いいたします。  以上をもちまして、私の第1回目の質問といたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 近藤議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、脱炭素社会の実現に向けた機運醸成についてお尋ねがありました。  未来の命を守るため、脱炭素社会の実現に向けては、あらゆる主体が脱炭素を自分事として捉え、オール神奈川で取組を広げていくことが不可欠です。  一方で、国民の9割が脱炭素という言葉を認知しているものの、そのために何をしたらよいか分からず、具体的な行動に結びついていないなど、自分事化が進んでいないといった課題があります。  そこで、県としては、自分事化を広めていくため、あらゆる主体と連携し、全県的に脱炭素の機運を盛り上げていきます。  具体的には、まず、私が顧問を務め、市町村、企業、市民団体等、多様な主体で地球温暖化問題等に取り組む、かながわ地球環境保全推進会議を活用し、脱炭素の県民運動につなげていきたいと考えています。  また、本県も参画している国の脱炭素国民運動など、オールジャパンの取組とも連携していきます。  加えて、次世代の担い手であり、高い発信力と行動力のある若年者層への普及啓発を強化し、若者から、全世代や各地域に広げていきたいと思います。  そこで、高校生向けには、県教育委員会等と連携し、双方向型の脱炭素教育を実施します。また、大学生や若手社会人向けには、環境関係団体と連携し、具体的な解決策を議論するワークショップを実施します。  こうした若者向けの事業の成果を取りまとめたリーフレット等を活用することによって、県内の高校や地域に展開していきます。  県としては、脱炭素社会の実現に向け、あらゆる主体を巻き込み、オール神奈川で脱炭素の機運醸成にしっかりと取り組んでまいります。  次に、相模湾における藻場の再生についてお尋ねがありました。  磯焼けは、海藻をウニなどが食べ尽くし、藻場が消失する現象で、藻場で育つアワビが激減するなど、漁業への影響は深刻であり、早急な対策が必要です。  また、磯焼け対策としての藻場の再生は、海藻による二酸化炭素の吸収、いわゆるブルーカーボンを増大させることから、脱炭素にもつながる重要な取組です。  これまで県は、藻場の再生に取り組む漁業者や市民団体等に対し、国の事業を活用した活動費の支援を行うとともに、ウニの効果的な除去方法などの技術指導を行ってきました。  また、海藻のカジメの中から、通常より成熟が早く、ウニなどに食べられてしまう前に次の世代を残すことができる早熟カジメを県水産技術センターが相模湾で発見し、現在、その種苗の生産や、海に移植して増やす技術の開発に取り組んでいます。  しかし、早熟カジメにより藻場を再生するには、種苗を大量に生産し、地域の方々と連携して、海に移植していくことが必要です。  そこで、水産技術センターに早熟カジメの種苗を大量に生産する施設を新たに整備し、安定的に種苗を供給できるようにしたいと考えています。あわせて、漁業者や市民団体等を対象に、カジメの海への移植などに関する技術研修を水産技術センターが行うことで、各地域での自主的な藻場再生の取組を促していきます。  また、県とブルーカーボンの増大に係る協定を締結した民間企業が県の技術支援の下、港で早熟カジメを育成する取組も始まっており、今後こうした企業による藻場の拡大も支援していきます。  このように、県は多様な主体と連携・協力して、藻場の再生に積極的に取り組み、脱炭素社会への貢献と水産業の振興を図ってまいります。  次に、人口減少局面における社会増に向けた市町村との連携についてお尋ねがありました。  まず、社会増に向けた対策の重要性についてです。  県は、平成27年度に神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、将来の人口減少を見据え、対策を進めてきました。  現在、本県は人口減少局面に入ったと考えられ、今後、これまで以上に社会増に向けた対策を進めることが重要です。今後、新型コロナウイルス感染症の分類見直しを機に、社会経済活動が活発になり、本県を訪れる方も増えてくることが想定されますので、様々なイベントやアクティビティーへの参加など、地域との関わりを深めてもらうことで移住につなげていきます。  次に、市町村への後押しについてです。  県では、社会増に向け、これまで人口減少が進む県西地域や三浦半島地域の活性化プロジェクトを地元市町と連携して策定し、地域に人を呼び込み、移住につなげていくため、広域ワーケーションや起業支援などの取組を進めてきました。  こうしたプロジェクトを進める中でも、市町によっては、新たに人を呼び込むことよりも、住み続けてもらうことを重視しているところもあります。  また、東京23区では令和4年に大幅な転入超過に転じており、今後こうした流れが加速することも想定されます。  そのため、これからは、人を呼び込む移住の取組に加え、移住した人が転出せずに定着してもらえるような定住の取組も必要と考えます。  そこで、県では、こうした移住と定住に関する市町村の課題認識や施策ニーズを丁寧にヒアリングし、それぞれの課題に応じ、専門的な知識や経験を有する民間人材を市町村に派遣していきたいと考えています。そして、それによって得られたノウハウや成果については、他の市町村に横展開を図っていきます。  こうした取組を通じ、社会増に向けて、きめ細かく市町村への後押しをしていきたいと考えています。  次に、中小企業の事業継続に向けた金融支援についてお尋ねがありました。  県はこれまで、コロナ禍の厳しい経営環境に置かれた県内中小企業の資金繰りを中小企業制度融資で支援してきました。特に令和2年度は、3年間無利子、保証料ゼロ、いわゆるゼロゼロ融資を多くの事業者に利用していただき、前年度の6倍を超える融資実績となりました。  このゼロゼロ融資は、3年間の無利子期間が終了し、金利分も返済に加わるため、これから、返済の負担が増えますが、中小企業においては、昨今の原材料の高騰などで思うように収益が上がっていません。  また、日本銀行が昨年末に長期金利の上限を引き上げたことを受け、一部の中小企業からは、今後、事業資金の借入金利が上昇し、返済の負担が重くなるのではないかとの不安の声も聞かれます。  こうした厳しい経営環境の中で、県内中小企業が事業を継続していくためには、稼ぐ力を回復、強化する必要があり、金融面から、その経営改善を支援していくことが重要です。  そこで、令和5年度の中小企業制度融資については、まず、総額2,600億円の融資規模を確保して、低金利で長期の融資により、金融のセーフティーネットの役割をしっかりと果たしたいと考えています。  その中で、金融機関が四半期ごとに経営改善の状況をフォローアップする伴走支援型特別融資の融資規模を拡大し、稼ぐ力の回復、強化につなげていきます。  また、この融資を活用して、ゼロゼロ融資からの借換えを促していくことで、金融機関の伴走支援につなげ、資金繰りと経営の改善を促進します。  県はこうした取組により、金融機関や支援機関と緊密に連携しながら、中小企業の事業継続を金融面からしっかりと支えてまいります。  最後に、公契約条例の制定についてお尋ねがありました。  公契約条例については、平成25年7月に、有識者を構成員とする公契約に関する協議会を設置し、御議論をいただきました。平成26年3月の協議会からの報告では、公契約条例の導入について、必要とする意見と適切でないとする両方の意見があり、意見の一致は見られませんでした。  公契約条例は、自治体が発注する事業に従事する労働者の賃金水準など、適正な労働条件を確保することを目的としたものですが、その後の賃金の状況を見てみますと、本県の公契約に関する賃金実態調査では、最低賃金未満は認められず、平均賃金は上昇傾向にあります。  また、国の公共工事設計労務単価は、この間、連続して引上げが行われているほか、最低賃金の全国加重平均額は当時と比べて197円上昇し、令和4年10月の改定では過去最高の31円の引上げとなっています。  さらに、直近の動きとして、政府が成長と分配の好循環に向けて、物価上昇率を上回る賃上げの実現を経営者団体に強く要請しています。それを受けて、経営者団体と労働者団体では、持続的な賃上げへ協調して取り組むとの認識で一致するなど、賃上げの実現に向けた機運が高まっています。  そこで、賃上げや最低賃金の改定など、労使の動きや国の取組、それらの及ぼす影響などを注視した上で、改めて公契約に関する協議会を開催し、条例の必要性について御意見を伺いたいと考えています。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  フリースクール等と連携した不登校対策についてお尋ねがありました。  NPOなどが運営するフリースクール等では、不登校の子供たちを受け入れ、居場所を提供し、学習指導要領に縛られない独自の学びなどを通じて、社会的な自立へと導いています。  県教育委員会では、こうした実情を踏まえ、平成18年に全国で初めてフリースクール等との連携協議会を設置し、相互理解と連携強化に取り組んできました。  具体的には、不登校の子供への支援の在り方や連携方策などを協議し、子供が学校に通えなくなった場合の対応等を学校や家庭、地域に分かりやすく発信しています。  また、毎年度、県内各地で共同開催している不登校相談会では、個別相談や不登校経験者による座談会などを通じ、これまで子供や保護者、延べ約1万4,000人の悩みなどに寄り添ってきました。  県教育委員会では今後も、フリースクール等との顔の見える関係を維持し、その経験や知見を小中学校や市町村教育委員会と共有し、不登校の未然防止などにも生かしていきます。  そのため来年度も、不登校の子供たち一人一人のニーズに応じた特色ある取組について、フリースクール等に委託する事業を継続したいと考えています。  県教育委員会としては、こうした取組を通じて、不登校を問題行動と判断せず、一人一人の子供に寄り添い、最適な学びを提供できるよう、今後もフリースクール等としっかり連携してまいります。  次に、公立中学校における部活動の地域移行についてお尋ねがありました。  公立中学校における休日の部活動の地域移行に関して、国が昨年末に公表したガイドラインでは、当初、改革集中期間としていた今後3年間を改革推進期間に改め、地域の実情に応じ、可能な限り早期の実現を目指すと、ペースダウンしました。  また、地域移行に関する国の来年度予算案も、概算要求から大きく縮小しています。こうした中でも、我が国のスポーツ、文化芸術の振興の礎となってきた部活動を地域に着実に移行し、将来にわたって子供たちの活動機会をしっかりと確保することが必要です。  県教育委員会ではこれまで、国の委託により、地域移行に先行的に取り組んでいる秦野市や大磯町の事例を市町村教育委員会やスポーツ・文化芸術団体等から成る地域部活動連絡会で共有してきました。  来年度はさらに知事部局と連携しながら、より多くの市町村が国の実証事業を活用して地域移行の取組を進められるよう支援し、地域の実情に応じた事例を積み重ねていきたいと考えています。  こうした中で得られる地域移行のパターンや、そこに至る検討プロセス、工夫などを整理して、今後、県が作成する方針につなげていきます。  一方、中学校体育連盟では、学校単位を原則としてきた大会参加について、来年度から全競技で、地域の民間団体に所属する選手の参加を認めるなど、地域移行を視野に入れた動きも見られます。  県教育委員会としては、こうした動きも見据えながら、引き続き、知事部局や市町村、関係団体等と連携し、公立中学校における休日の部活動の地域移行を積極的に支援してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 神奈川県警察交番等整備基本計画の推進状況と今後の進め方についてお答えいたします。  初めに、本計画の推進状況についてです。  県警察では、平成31年3月に策定した本計画に基づき、隣接の交番等への統合を令和2年度に12か所、令和3年度に8か所、令和4年9月に2か所の計22か所で実施しました。さらに、本年3月31日に5か所の交番を統合する予定です。また、令和5年度においては、7か所の交番を統合する予定であり、現在、警察本部と警察署が共に地域の皆様への説明を順次行っているところであります。  次に、本計画の今後の進め方についてです。  本計画を円滑に進めていくためには、交番の統合に対する地域の皆様の不安感を払拭し、御理解と御協力を得ていくことが極めて重要であると考えております。  これまでも、交番の統合を予定している地域の皆様に対し、交番統合の目的や経緯、交番の機能と機動力を備えたワゴン型の車両であるアクティブ交番の運用をはじめとする統合後の治安対策など、具体的な説明を行っているところであり、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。  また、統合する交番の選定については、事件事故等の発生状況、施設の老朽化等を踏まえ、慎重に検討を行っておりますが、社会情勢や犯罪情勢の変化に応じて必要な見直しを行うなど、柔軟に対応してまいります。  なお、アクティブ交番の導入については、これまで20警察署に20台配備しているところであり、今後も効果的な活用を図りながら、計画的に導入を進めていきたいと考えております。  県警察としましては、今後とも、本計画の円滑な推進に向けて、対象となる地域の皆様に対する説明を丁寧に行っていくとともに、アクティブ交番の運用をはじめとして、治安対策に万全を期すことにより、地域の皆様の御理解と御協力が得られるよう取り組んでまいります。  以上でございます。  〔近藤大輔議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 近藤大輔さん。  〔近藤大輔議員登壇〕 ◆近藤大輔議員 知事、教育長、警察本部長より、それぞれ答弁を頂きました。  残された時間が僅かでありますので、意見、提言を順次申し上げていきたいと存じます。  まず初めに、脱炭素社会の実現に向けた機運醸成についてであります。  知事からは、脱炭素の自分事化と、オール神奈川での取組が不可欠といった趣旨の答弁がありました。また、そのために今後取り組む具体的な施策についても答弁を頂きました。  言うまでもありませんけれども、この脱炭素という地球規模のことに対して、県という一自治体で取り組んでいくには、おのずと限界があるわけでありまして、県民一人一人が自分事化して、その次の世代に良好な地球環境を引き継ぐことにつながるということを、しっかり認識していくことが非常に重要であります。  その中でも、県内では、横浜市や川崎市、小田原市が国の脱炭素先行地域に選定されるなど、地域レベルで脱炭素に向けた動きが加速しております。  県として、一層、市町村とも連携し、脱炭素社会の実現に向けて、県民総ぐるみの取組が進むよう、しっかり対応していただきたいと思います。  次に、相模湾における藻場の再生についてです。  知事からも力強い答弁があり、状況は共通認識を持っていると心強く思いました。  藻場の再生は、本県の沿岸漁業の振興につながるだけでなく、脱炭素社会の実現にもつながる重要な取組であります。また、漁業者、一般市民など多様な主体が参加できるということから、多くの県民に海の環境や脱炭素に関する意識を高めていただくよい機会にもなるので、県として積極的に藻場の再生を推進していただきたいと思います。  また、知事からも話のあった、県水産技術センターが進める早熟カジメの培養は、磯焼け対策の切り札になると思います。知事から極めて前向きな答弁があって、私からも培養施設の増強を求めようと思っていたんですけれども、知事とは共通認識であります。一層の対策強化を求めたいと思います。  次に、中小企業の事業継続に向けた金融支援についてであります。  県制度融資におけるゼロゼロ融資の返済については、コロナ禍に加え、エネルギー価格や物価の高騰は長期化の様相を示しており、中小企業を取り巻く経営環境は先行きが見通せない状況であります。  私の地元、逗子・葉山でも、多くの中小企業がゼロゼロ融資をはじめとするコロナ融資を利用しており、融資には返済がつきものであり、どう返済していくかは、県経済全体においても、今後、大きな問題になってくると考えます。  そういったような中で、ゼロゼロ融資の借換え需要への対応についてのお話もありました。県中小企業制度融資においては、金融のセーフティーネットの役割を果たすべく、中小企業の資金繰りを支えるとともに、生産性の向上や中小企業の利益の向上に資する施策も講じることで、将来に向けた成長について支援もいただくように、重ねてお願いをしておきます。  次に、公契約条例の制定についてであります。  知事からは、公契約協議会に再度、協議を促すということで、前向きな答弁を頂いたと認識をしております。  国や経営者団体の動きを見る限り、例年以上に賃上げへの期待が高まっております。また、そういうような中にあっても、2024年には、建設業における働き方関連法が適用されることになります。様々な状況が、これまでとは変わってくるという、私は認識を持っておって、人も公契約において官製ワーキングプアというものがあってはなりませんから、しっかり条例とした制度という形で、働く者を支えていただきたいと存じます。  次に、フリースクール等と連携した不登校対策についてであります。  フリースクールに対して、委託事業を継続して進めていくと、これも教育長から前向きな答弁であったと思います。このコロナ禍の中で短期的にあったその運営の補助とかのことですよね。極めて、現場のフリースクールから好評を得ておって、ぜひとも継続してほしいって話があったんですね。ぜひとも、一層フリースクール等とも連携して不登校対策に取り組んでいただきたいと思います。  重ねてでありますけれども、先行自治体では、運営費の補助であったり、利用者の負担の減のための補助みたいなものもあります。ぜひとも、子供の多様な学びと育ちを支えるために、フリースクールとの連携を一層深めていただきまして、子供たちを守り抜いていただきたいと申し上げまして、私の代表質問といたします。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(曽我部久美子) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、2月20日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時44分 散会...